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トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。 帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
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ここのところ、いつにも増して来客が多い。

1年ぶりくらいでやってきた友人に、いろいろと作る。

この日のメニュー

  • オリーブのバジルソース
  • スナックえんどうと鶏ささみのマスタードマヨネーズ和え
  • ルッコラのカプレーゼ
  • アボカド
  • タコとじゃがいものサラダ
  • リダーチーズとクラッカー
  • 茄子のグラタン(パルミジャーナ:重ね焼きのこと)

茄子のパルミジャーナは、先日評判が良かったので、再登場である。このブログに「私はこんなふうに作ります」というコメントをいただき、それを真似てみたくてしようがなかったのだ。

それは『スライスしたゆでたまご入り』。

そこで、今回はパルミジャーナの一部始終をお目にかけようと思う。

まずはミートソースを作る。

3747c01a.jpgたまねぎ、にんじん、セロリをみじん切りにする。












948e803b.jpg鍋につぶしたにんにくとオリーブオイルを入れ、弱火にかける。











b49787b7.jpgにんにくがきつね色になったら、みじん切りにした野菜と、セロリの葉の部分もいれて、甘みを引き出すように炒める。











097d333e.jpg合挽き肉に強めに塩、胡椒をして、練りこんでおく。












5e22acb4.jpg強火でしっかり焼き色がつくように、焼き付ける。












b23b4074.jpgブランデーでフランベする。












76735df8.jpg野菜の鍋に焼いた肉を移し、ローリエ、赤ワインを加え煮込む。











5949f32d.jpgワインの水分が減ってきたら、ホールトマトを手で潰して加える。

しばらく煮込んで、塩、胡椒で味を調えたら、ミートソースは完成。








続いて、茄子のトマトソースのパスタ。

ba6236da.jpg
今回は『リガトーニ』という極太のショートパスタを使った。肉料理と相性がいいのだ。

茄子はオリーブオイルで炒めておいて、それをトマトソースに加える。

茹でたリガトーニと和えておく。





米茄子は輪切りにして、オリーブオイルでソテーする。

たまごは茹でて殻を剥き、エッグスライサーでスライスしておく。

43db73fa.jpg
耐熱皿にオリーブオイルを塗り、パスタ→米茄子→ミートソース→ゆでたまご→モッツァレラチーズ→パルミジャー・レッジャーノの順に重ね、オーブンで焼き色がつくまで焼く。









1190c514.jpg完成はこちら。

やっぱり。ゆでたまごはいい。おいしい。


こうして、書き出して見ると工程が多い。やっぱり時間かかります。






そのほかのメニューはこちら。

d2a2668f.jpgバジルソースに漬かったオリーブ。

『ル・ジャルダン・ゴロワ』のもの。母親にもらいました。

ちょっと酸っぱくなってたけれど(実は賞味期限がわずかに過ぎておりました)、おいしかった。自分でも作れそうなので、今度やってみようかと思う。







92deb6f0.jpgスナックえんどうと鶏ささみをマスタードとマヨネーズで和えたもの。最近の定番。

これは当ブログにコメントを下さる、たかえさんの料理を拝借したもの。







本家はこちら↓
blog.goo.ne.jp/m-t-daidai/e/9acf1df0804e9b19d7267774a1ef3c9a

僕はこれを蚕豆でやったり、アスパラガスでやったりしている。マスタードとマヨネーズをえんどうとささみのゆで汁をほんの少量入れて溶いて、塩、胡椒をふって和える。


7913e8a7.jpgルッコラのカプレーゼ。

これも定番。











c25b5ebe.jpgアボカド。

これはシンプルに。レモンと塩、胡椒、オリーブオイル。

濃い味の好きな友人はこれに削り節と醤油をかけて食べた。








9ca58861.jpgタコとじゃがいものサラダ。

新メイクイーンが出ていたので、それを使った。

茹でたじゃがいもとぶつ切りにした茹ダコをレモン、塩、胡椒、オリーブオイルで和えて、刻んだイタリアンパセリを散らす。








e319687b.jpgこの日、友人がケーキを買ってきてくれていた。

僕の誕生日を祝ってくれたのである。

どうもありがとう。










話は、深い方向へと向かう。いろいろあります。58f70f5e.jpg





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先日、友人3人のお誕生日会を開いた。

sekiya.blog.shinobi.jp/Entry/156/

実は、お誕生日会のときに出したメニューは計画の一部だった。お腹いっぱいになってしまって、出せなかったのだ。僕はいつもこうだ。作りすぎる。でも、いいじゃないか。みんなが集まっているのに食べ物が足りないよりはいいかな、と思うのだ。

ただ問題は、おもてなし料理のようなものはひとりではなかなか食べる気にならない、ということだ。「なんかなあ」と思う。おいしいのはわかってる。でもひとりで食べるには、ひとりで食べるための料理というものがあるのだ。だから、買っておいた食材を別のメニューに組み立てなおすために、どうしたもんかなと知恵を搾っていたところだった。

そんな満腹お誕生日会に参加した友人が家に忘れ物をした。取りに来るというのだ。

これこそ好機というものであろう。あの時お目にかけることのできなかったものたちを、ここで作らずにはいられない。映画でいうところのディレクターズ・カット。『LET IT BE』でいうところの『NAKED』か。


幻のメニュー①『ルッコラのカプレーゼ』

f15375db.jpgカプレーゼは通常バジリコで作る。それを青菜のサラダ感覚で、バジリコのかわりにルッコラをばさっと乗せる。

これは以前、友人のリクエストに応えて作ったものが定番化した。おいしい。







9c1e876c.jpgこれは、幻のメニューではない。ただ作った。

お揚げを炙って、甘味噌を塗ったもの。白髪ねぎをくるんでいただく。

甘味噌は、小鍋に酒を煮立たせてアルコールを飛ばし、砂糖を溶かし、味噌を加えたもの。

僕はお揚げの滋味深い味が大好きです。



幻のメニュー②『鮭のムニエル』

a4c54be4.jpg生鮭がこの日あたりで限界だった。ソースは既に作ってあったので、これをやらないわけにはいかなかったのだ。

作り方はこちら↓
sekiya.blog.shinobi.jp/Entry/136/

つけ合わせは蕪とじゃがいもをレモン、塩、胡椒、オリーブオイルで和えたもの。




全ての料理を食べることができたのは、僕を除いてたったひとり。忘れ物が功を奏した。全部作ることができて僕もうれしい。残らず食べてもらって、食材たちもきっと喜んでいることでしょう。



ところで、友人が何を忘れて行ったのかは秘密である。58f70f5e.jpg


b2963c17.jpg―オムレツは強い火でつくらなくてはいけない。熱したバタにそそがれた卵は、強い火で底のほうからどんどん焼けてくる。それをフォークで手ばやく中央にむけて、前後左右にまぜ、やわらかい卵のヒダを作り、なま卵の色がなくなって全体がうすい黄色の半熟になったところで、片面をくるりとかえして、火を消し、余熱でもう一度ひっくりかえして反面を焼いて形をととのえたら出来上る。
そとがわは、こげ目のつかない程度に焼けていて、中はやわらかくまだ湯気のたっているオムレツ。「おいしいな」、私はしみじみとオムレツが好きだとおもい、オムレツって何ておいしいものだろうとおもった。

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』
石井好子(暮しの手帖社)より

オムレツといったら、論を俟たずにこの本だろう。料理エッセイの草分けといわれる。

「おいしいな」

この一言がどれくらいの力を持つか。つらつらと読み返してみて強く感じた。



さて先日、友人からバゲットをいただいたので、トーストしてオムレツを作った。

d2261904.jpgバターはたっぷり使う。

たまごを溶いて塩、胡椒をしたら、バターを融かしたフライパンに流し入れ、手を休めずに混ぜる。フライパンをゆする。

とろとろの半熟になったら、端から寄せていって、フライパンの縁のアールを利用して成形する。




オムレツってなんておいしいものだろうと僕も思う。



2c06c888.jpgこのかわいらしいバターケースは先日手に入れた。

オールドパイレックスである。

さすがアメリカ。でかい。蓋が両面使えるようになっていて、ポンドバターも丸ごと入れられるようになっている。






ところが最近、バターが簡単に手に入らない。困った。




 
冷蔵庫の野菜室を開けると、パプリカ(橙)とパプリカ(黄)が目に飛び込んできた。
しまった。忘れていた。しかもパプリカ(橙)は、その艶やかさを失いかけている。

―「しくしく…。」

「泣いているのかい?」

―「しくしく…。だってあなたは私たちのことを忘れてたじゃない。」

「忘れてなんかいないさ。」

僕は咄嗟に嘘をついた。どうして男という生きものはこういう嘘をついてしまうのだろうと思う。

―「嘘つき!」

「嘘じゃないさ。いろいろと忙しかったんだよ。君たちに声をかけることができなかったのは申し訳ないと思っているけど、忘れてなんかいない。本当だよ。嘘じゃない。」

だが、僕には綻びを隠すために厚く塗りたくったものが、その重さに耐えきれずに剥がれ落ちていく錯覚が見えた。

―「どうして? どうしてそういう嘘をつくの? だってあなたは新しく緑のピーマンを買って帰ってきて、それをしまおうとして私たちを見つけて、『あ、しまった』みたいな顔してたじゃない!」

見られていたのか…。迂闊だった。よく見てるなあ。

「いや、ごめん。」

―「どうしてそうやってすぐ謝るのよ!」

「…。」

―「何で黙るの? しくしく…。」

やれやれ。機嫌悪いなあ。無理もないか…。僕が悪いよな。

だが、困った僕は何も言わずパプリカ(橙)とパプリカ(黄)を洗って細切りにした。



さて、そんなわけで本日はパプリカで青椒肉絲だ。

7ec74c70.jpgパプリカとピーマンは細切りにする。たまねぎも同じ太さに切る。

肉は豚肉。同じく細切りにする。塩、胡椒して、サラダ油をまぶしておく。

たれは、酒、オイスターソース、醬油、胡椒、片栗粉を合わせておく。



中華鍋に油を熱して、豚肉を炒める。酒をふり、取り出しておく。

新たに、中華鍋に油を熱し、野菜を炒める。

肉を戻し、たれをかけて、とろみが出るまで炒めて完成。


味噌汁は昨日の残りだ。蕪の味噌汁。


放置したパプリカの呪いだろうか。味が濃い…。きっと涙の分だけ塩分が追加されたんだね。

すみません。






その後―。

何となくビールを飲みたくなった僕は、『チートス』をつまみにコロナを飲む。

83acc57d.jpg先日、年下の友人に、「何コレ?」って言われて、「チートスだよ。」と答えた。

しかし、その友人はチートスもフリトレーも知らなかった。世代だろうか…。でもチートスは今も現役でこうして流通している。

だが、ふと立ち止まって考える。

昔のチートスはもっとパンチのある味だったよなあ、と。健康なんて知らねえ、という硬派な味をしていたと思う。









67722ff9.jpgチートスをぼそぼそとつまみながら聴いていたのは、ギルバート・オサリヴァンの『Alone Again』(1971)である。

僕は、あまたあるポップソングという音楽の中で、これくらい輝いている曲はなかなかないと思っている。名曲というのはこういうものを言うのだ。中学生の頃からだから、もう15年以上聴き続けている。

『macbook』のCMで使われている曲が、この曲のリズムを思わせたので、聴きたくなった。




47f1b916.jpgちょっと飲みすぎました。

まあいいさ。

健康なんて知らねえよ。


















55fa1754.jpg久しぶりにひとりでごはんなので、ゆっくりと作る。

和食のごはん。


実は、お誕生会のときに鮭のムニエルも出そうかと思って、生鮭の切り身を買ってあったのだけれど、出せなかったので唐揚げにした。




777a3b6f.jpg生鮭の切り身に塩、胡椒をして、片栗粉をつけて揚げる。

大根おろしでさっぱりといただく。









b24ac03f.jpgお揚げを炙って、甘味噌を塗る。白髪ねぎと一緒にいただく。










5270b93e.jpgアボカドはスライスしたらレモンを搾り、削り節をたっぷりと、醬油とオリーブオイルをかける。

この食べ方は、ごはんのおかずにもなる。ほかのメニューとの相性もあるけれど、僕はこれが一番好きだ。その次はレモンと塩、胡椒とオリーブオイル。






味噌汁は蕪。


落ち着いたごはんを食べる日曜日の夜。

作っているときに痛感する。味噌汁とごはんの炊ける匂いを嗅いだときに、おいしそうとは別にふわっとほどけていくような安堵感を覚える。この感覚はスパゲティーやシチューや麻婆豆腐を作っているときには得られない感覚だ。

おそらくこれは遺伝子レベルで刻み込まれた感覚だ。忘れることはできない。






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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill

この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。

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『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL

アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。

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J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein

ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。



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1977/05/04
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