『SAMBA'68』(verve)
MARCOS VALLE
この最低のアートワーク。ど真ん中でビミョーな笑顔を見せるこの男は誰か。
マルコス・ヴァーリである。
ボサノヴァが好きで、10年くらい前から代表的なものをポツポツと聴いている。10年前…。そう、あのカフェブームの頃。乗っかってしまったわけです。流行に。華やかだったカフェブームはすっかり落ち着いてしまったけれど、ボサノヴァの魅力には変わりはない。
ボッサといえば、ゴッドファーザー/アントニオ・カルロス・ジョビンが頂点に君臨するわけだが、実はこんな天才がいたのである。まったく知らなかった。この間、レコード屋さんで見かけて何となく買ってきて、聞いたら驚いた。あれもこれも、この人が作った曲だったのか!と。
調べたらとっても有名な方でした。
カルロス・ジョビンの曲もそうだけれど、複雑なコードを多用しても、強引ともいえるようなアクロバティックな進行をしても、人懐っこさをなくさないところがすごくいいと思う。モダンジャズがともすると高度な理論に拘泥して、頭でっかちで聴いてもなんだかよくわかんない状態になっていたりするのに対して、あくまで聴いて気持ちいい音楽を作るこういう人が大好きです。大事なことだと思う。
さて、そんなマルコス・ヴァーリの最新作がこちら。
『JET-SAMBA』(2005年/DUBAS MÚSICA)
クールでとてもかっこいいです。フェンダー・ローズってすごくいいと思う。
『HIGH WINDS WHITE SKY』
Bruce Cockburn
出会いのもの、という言葉がある。
このBruce Cockburn(ブルース・コバーンと読むらしい)との出会いはまさにそんな感じだった。
西荻の古本屋『音羽館』にいたときのこと。店内にこのアルバムが流れていて、耳を奪われてしまった。もう本を物色するどころではなくなって、ずーっと耳をそばだてていた。静かな歌声も、シンプルなアレンジもよかった。誰なんだろう?
お店の人に聞いたら快く教えてくれました。すぐに買いに行った。
ブルース・コバーンはカナダ出身のシンガー・ソングライターで1970年にデビュー、現在も現役で活躍している。この『HIGH WINDS WHITE SKY』は1971年の作品。
この人の落ちついた歌声も魅力のひとつだけれど、ギターのテクニックが特筆すべきだと思う。(おそらく)オープンチューニングを使った開放感のある響きなんかは楽器の特性を生かした素晴らしいアレンジでしょう。
1曲だけ(trk.5『GOLDEN SERPENT BLUES』)、ピアノ弾き語りの曲があるが、これがギターの上手さに好対照で実にひどい。ヤケクソで鍵盤を叩いているような感じ。でも実はこの曲が大好きです。
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill
この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。
『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL
アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。
J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein
ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。