先日、O氏の来訪を受けた。
前回の来訪時、僕の予定が立て込んでいたために、前日の残りものを出したり、メニューの数が少なかったりして、申し訳なかったと思っていたのだ。とはいえO氏曰く、「そんなふうには感じなかった」。
だが、O氏の意見などどうでもいいのである。これは僕の問題だ。
さて、その日のメニュー。
乾杯はベルギーの『にごり白生』
その名の通り、白く濁っている。沈澱物が下に淀んでしまわないように、缶を逆さまにして売られている。
これは、とてもおいしい。香りもいい。
白ビールがおいしい季節になった。
最近のお気に入り『塩昆布奴』。
ささみとヤングコーンのマスタードマヨネーズ和え。
久しぶりにフィッシュ&チップスを作った。
魚は鰈(かれい)。なんとか鰈だったが、名前は失念した。
タルタルソースはたまねぎとゆでたまごのみじん切りとマヨネーズと塩、胡椒を混ぜて簡単に作る。
あさりのワイン蒸し。
アサリのおいしい季節である。
砂出ししたあさりをにんにくとオリーブオイルで炒めて、白ワインを入れて蓋をして蒸らす。貝が開いたら塩、胡椒で味を調え、イタリアンパセリを散らして完成。
フィッシュ&チップスをつまみながら、あさりを突付きながらフィッシュマンズのDVDを観る。
『THE LONG SEASON REVUE』
2枚目のライブ映像は素晴らしかった。だが、本編の映画は駄作だろう。実に退屈である。これを映画館に見に行った人は本当に気の毒だと思う。
サポートメンバーのヴァイオリニスト、HONZIという人が気になったのだが(アコーディオンも弾いていたりして)、調べてみたらすでに故人だった。
びっくりした。
O氏から、誕生日プレゼントをいただいた。
『BLACK CAT WHITE CAT』
仕掛け絵本になっている。
とてもかわいらしい。
どうもありがとう
西荻窪に在住であれば、ご存知の方も多いかと思う。伏見通りの、昼は電気屋さん、夜はたこ焼き屋さんのあの店である。
どうしてもたまらなく食べたくなる時があるのだ。
いつも黙って1,2個オマケしてくれる。
他にも冷蔵庫にあるもので簡単なつまみを作ると、何だか夏っぽくなった。
ソースとにんにく醬油のブレンドソースにしてもらう。
買い食いだけれど、一応お皿に盛り付けると気分も違う。
アボカドはいつも通り。
レモンと削り節と醬油とオリーブオイル。
そして!
最近のお気に入りはこれである。
『塩昆布奴』。
お豆腐にごま油をひとたらし、ねぎのみじん切りと塩昆布を乗せる。
このメニューは『呑食愛育』のたかえさんのレシピを拝借したのである。旨いです。
たこ焼き。たまには買ってきて食べるのもいいものだと思う。自分では作れないし。
そもそもある程度規模の小さい、気持のいい古本屋さんには辞書の扱いさえなかったりする。
でも僕は辞書コーナーに立ち寄る。いや、立ち寄っていた。今までは。ずっと探していた辞書があったからである。
『新明解国語辞典 第四版』(三省堂、1989)
1刷りだ。ついに手に入れた。
三省堂『新明解国語辞典』は独特の語釈と用例で多くのファンを持つ。もちろん僕も大ファンである。
現在は第六版が販売されているが、僕はずっと第五版を愛用してきた。ではなぜ第四版に拘ったのか。
それは、かの有名な【動物園】の項目を引きたかったがためだ。第四版でも初期刷りでなければ、あの語釈に出会うことはできない。
【動物園】 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。(第四版)
おおお。完全に動物園を敵視している。
この項目はさすがに批判を浴びたと見え、四版でも途中から変更されてしまうのである。ちなみに第五版にはこうある。
【動物園】 捕らえて来た動物を、人工的な環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。(第五版)
多少やわらかくはなったが、動物園に対する敵意は緩まらない。どうしてそこまで敵視するのか。
ちなみに、五版で僕が好きなのは【せこい】の用例である。
【せこい】 ―②狭量だ。規模が小さい。「世界征服をたくらんでいるというわりには、どうして幼稚園のバスをねらったり、子供をさらったりと、せこいことばかりするのだろうか/…」
【せこい】の項目はその他の用例もかなりのものである。
新明解国語辞典の森は深い。
Get back to where you once belong
『GET BACK』/The Beatles(1969)
『PAST MASTERS VOLUME TWO』所収
久しぶりにビートルズの『GET BACK』を聴く。
ビートルズにかぶれていた20歳のころ、ポール・マッカートニーは嫌いだった。
ジョン・レノンに心酔していた当時の僕は、ポールの溢れる才能と何でもこなす器用さとそれに伴う傲慢さが嫌いだった。そして聴衆に受け入れられることを大前提とする彼の姿勢は、僕の目には迎合に映った。『HELLO GOODBYE』なんか吐き気がした。大好きな『I AM THE WALRUS』がシングルのB面なのが許せなかった。
でも、僕も成長するわけである。ポールの曲に名曲が多いことは事実であるわけだし、実際のところジョンを意識しなければそんなに蛇蝎のごとく嫌う理由もない。いつの頃からか嫌いではなくなった。
それに、ビートルズが分裂を始めたとき(分裂の大きな要因のひとつにポールの傲慢さがあるとしても)、バンドを繫ぎとめよう必死だったのはポールである。だから原点回帰をコンセプトとするアルバム『GET BACK』を提案したのだ。失敗に終わるけれど。
さて、『GET BACK』を聴きながらポールの気持ちをちょっと思ったりして作るのは、シンプルなパスタである。ひとりで自分のために作るパスタは久しぶりだ。僕の原点回帰といったところか。
アンチョビとキャベツのパスタ
キャベツはざく切り。
芯の部分は薄切りにする。
アンチョビは包丁で叩いてペースト状にしておく。
にんにくは根っこの部分を切り落とし、包丁の腹で潰して皮を取る。
にんにくと唐辛子のオイルを作る。
フライパンににんにくとオリーブオイルを入れ、弱火にかけてフライイパンを傾ける。にんにくを揚げる感じで。
にんにくきつね色になったら、ふたつにちぎって種を除いた唐辛子を入れ、辛味をオイルにうつす。
パスタを茹で始める。
ペーストにしたアンチョビをフライパンに入れる。
油がはねることがあるので注意する。
白ワインをふり入れ、フライパンをゆすりながら水分を飛ばす。
パスタの茹で汁を入れる。ここでフライパンをゆすって、しっかり乳化させる。
特にオイル系パスタは乳化が肝心だ。
塩、胡椒で味を調える。
パスタの茹で時間が残り2,3分になったら、パスタ鍋にキャベツを入れ、一緒に茹でる。
茹で上がったパスタとキャベツをソースにしっかり和えたら完成。
とても暑かったので、さっぱりと野菜のパスタがおいしかった。
ビールは『ゴイヤス』というのを飲んでみる。
香りがよくて、味が濃い。だが、甘い。
暑い日に飲むビールではなかった。この後、当然のようにいつものサッポロに戻す。
ところでシングル『GET BACK』は、カップリングが『DON'T LET ME DOMN』である。
40年前の若者たち、ほんと羨ましい。
―これを①とする。
僕は、食材を買い置きする習性がある。普段使うものは多めに買ってストックしておく。
食材ストック棚(右側)
ホールトマト缶は30缶くらいある。コーンビーフ、ツナ缶など。
食材ストック棚(左側)
スパゲティーは2,3kgずつ買う。オリーブオイルは未開栓のものが2ℓある。
―これを②とする。
僕は、物を記憶する能力が著しく劣っている。大事なことも、そうでないことも、すぐに片っ端から忘れていく。
―これを③とする。
以上、①、②、③の条件が重なり合って生まれる現象がこれである。
たまごをダブって買ってしまうこと。
「あー、たまごがなかったっけ」
買って帰ってくると、冷蔵庫の中にまだ6個も入っている。
そういうわけで、16個のたまごを消費すべく、オムレツを作る。
ツナとトマトを具にする。
何だか、あまりうまくいかなかった。
味はいいです。でもね、オムレツってのはたまごが焦げ目のないきれいな黄色でなくちゃいけない。中はとろりと半熟で、薄い表面の皮でぎりぎりその形を保っているくらいじゃなくちゃいけない。そしてその形はきれいな紡錘形でなくちゃいけない。
皮が破けているのなんて、もってのほか。
おいしくいただきましたが。どうも、こう、気分がね…。
オムレツは難しいです。
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill
この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。
『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL
アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。
J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein
ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。