トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。
帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
古本屋に行った際、辞書コーナーに立ち寄ったりするだろうか。
そもそもある程度規模の小さい、気持のいい古本屋さんには辞書の扱いさえなかったりする。
でも僕は辞書コーナーに立ち寄る。いや、立ち寄っていた。今までは。ずっと探していた辞書があったからである。
『新明解国語辞典 第四版』(三省堂、1989)
1刷りだ。ついに手に入れた。
三省堂『新明解国語辞典』は独特の語釈と用例で多くのファンを持つ。もちろん僕も大ファンである。
現在は第六版が販売されているが、僕はずっと第五版を愛用してきた。ではなぜ第四版に拘ったのか。
それは、かの有名な【動物園】の項目を引きたかったがためだ。第四版でも初期刷りでなければ、あの語釈に出会うことはできない。
【動物園】 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。(第四版)
おおお。完全に動物園を敵視している。
この項目はさすがに批判を浴びたと見え、四版でも途中から変更されてしまうのである。ちなみに第五版にはこうある。
【動物園】 捕らえて来た動物を、人工的な環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。(第五版)
多少やわらかくはなったが、動物園に対する敵意は緩まらない。どうしてそこまで敵視するのか。
ちなみに、五版で僕が好きなのは【せこい】の用例である。
【せこい】 ―②狭量だ。規模が小さい。「世界征服をたくらんでいるというわりには、どうして幼稚園のバスをねらったり、子供をさらったりと、せこいことばかりするのだろうか/…」
【せこい】の項目はその他の用例もかなりのものである。
新明解国語辞典の森は深い。
そもそもある程度規模の小さい、気持のいい古本屋さんには辞書の扱いさえなかったりする。
でも僕は辞書コーナーに立ち寄る。いや、立ち寄っていた。今までは。ずっと探していた辞書があったからである。
『新明解国語辞典 第四版』(三省堂、1989)
1刷りだ。ついに手に入れた。
三省堂『新明解国語辞典』は独特の語釈と用例で多くのファンを持つ。もちろん僕も大ファンである。
現在は第六版が販売されているが、僕はずっと第五版を愛用してきた。ではなぜ第四版に拘ったのか。
それは、かの有名な【動物園】の項目を引きたかったがためだ。第四版でも初期刷りでなければ、あの語釈に出会うことはできない。
【動物園】 生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。(第四版)
おおお。完全に動物園を敵視している。
この項目はさすがに批判を浴びたと見え、四版でも途中から変更されてしまうのである。ちなみに第五版にはこうある。
【動物園】 捕らえて来た動物を、人工的な環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、動く標本として都人士に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。(第五版)
多少やわらかくはなったが、動物園に対する敵意は緩まらない。どうしてそこまで敵視するのか。
ちなみに、五版で僕が好きなのは【せこい】の用例である。
【せこい】 ―②狭量だ。規模が小さい。「世界征服をたくらんでいるというわりには、どうして幼稚園のバスをねらったり、子供をさらったりと、せこいことばかりするのだろうか/…」
【せこい】の項目はその他の用例もかなりのものである。
新明解国語辞典の森は深い。
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すごい!
いろんな意味ですごい(笑)
私、結構長い間、本をつつく仕事をしてたんですが、『新明解国語辞典』第4版が、こんなんとは知らなかったです。
これをつくった三省堂も、それを知ってるセキヤさんも面白すぎです。
第4版の編集・執筆者は、「仮面ライダー」(初代~V3)見てた人ですね。
発行年が知りたいところです
私、結構長い間、本をつつく仕事をしてたんですが、『新明解国語辞典』第4版が、こんなんとは知らなかったです。
これをつくった三省堂も、それを知ってるセキヤさんも面白すぎです。
第4版の編集・執筆者は、「仮面ライダー」(初代~V3)見てた人ですね。
発行年が知りたいところです
Re:すごい!
meijiangさん、こんばんは。
新明解はすごいんですよ。引く辞書よりも読む辞書なんです。どこかに強烈な語釈が潜んでいるのではないかと思って、思いついた言葉を引いてしまったりします。
この辞書は何年か前に、赤瀬川原平の『新解さんの謎』で話題を集めました。その後同じような本が出ています。研究サイトもあるのでご興味があれば見てみると面白いと思います。僕は翻訳家の柴田元幸さんのエッセイに紹介されていて、手に取りました。
ちなみにショッカーであろう表現がある第5版の発行年は1997年だったと思います。結構楽しんで作ってる感がありますよね。
コメントありがとうございます。
新明解はすごいんですよ。引く辞書よりも読む辞書なんです。どこかに強烈な語釈が潜んでいるのではないかと思って、思いついた言葉を引いてしまったりします。
この辞書は何年か前に、赤瀬川原平の『新解さんの謎』で話題を集めました。その後同じような本が出ています。研究サイトもあるのでご興味があれば見てみると面白いと思います。僕は翻訳家の柴田元幸さんのエッセイに紹介されていて、手に取りました。
ちなみにショッカーであろう表現がある第5版の発行年は1997年だったと思います。結構楽しんで作ってる感がありますよね。
コメントありがとうございます。
同じです
あれっ?見たことある…、わたしも同じ辞書持ってます。第四版でした。
高校の先生に薦められて買った記憶があるような。
今は娘がたまに使っているとおもいます。
そんなに有名な辞書だったのですね。
何故か「白血球」と「白血病」にラインマーカー引いてありました。
何考えてたんでしょう…。
【動物園】は変更後のようです。
高校の先生に薦められて買った記憶があるような。
今は娘がたまに使っているとおもいます。
そんなに有名な辞書だったのですね。
何故か「白血球」と「白血病」にラインマーカー引いてありました。
何考えてたんでしょう…。
【動物園】は変更後のようです。
Re:同じです
Rさん、こんばんは。
おお。お持ちなんですね。
そうなんです。新明解は学習用辞典なんです。
お手元にあるのであれば、『恋愛』とかを引いてみるとなかなか面白いと思います。研究サイトがあるので↓
http://www.geocities.jp/shinmeiker/index.html
ご覧になるといいと思います。
コメントありがとうございます。
おお。お持ちなんですね。
そうなんです。新明解は学習用辞典なんです。
お手元にあるのであれば、『恋愛』とかを引いてみるとなかなか面白いと思います。研究サイトがあるので↓
http://www.geocities.jp/shinmeiker/index.html
ご覧になるといいと思います。
コメントありがとうございます。
Re:無題
Rさん、こんにちは。
喜んでただけたようで、何よりです。新明解国語辞典は、深いです。永くご愛用いただけると、僕も嬉しいです。
コメントありがとうございます!
喜んでただけたようで、何よりです。新明解国語辞典は、深いです。永くご愛用いただけると、僕も嬉しいです。
コメントありがとうございます!
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