トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。
帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
失敗の多くは、成功するまでにあきらめてしまうところに原因があるように思われる。
松下幸之助はこう言ったという。
蚕豆を使って、スパゲティにしようと思ったのだ。アスパラガスも入れて。
蚕豆である。
ところで、ソラマメは莢が蚕(かいこ)の繭に似ていることから蚕豆の字を当てるわけだが、一方で空豆とも書く。
これは、莢が上を向いてつくから『空に向かう豆』の意味でこう表記する。
このことを知ったのは、ごく最近のことである。
蚕豆を茹でる。
続けてアスパラガスも茹でる。
固めに。
蚕豆は剥いておく。
フライパンに、バターとサラダ油を入れて融かす。
くし型に切ったたまねぎと拍子木切りにしたベーコンを炒める。
ベーコンがこんがりしたら、アスパラガスと蚕豆を加える。
さっと炒める。
白ワインをふり、強火にして水分を飛ばす。
生クリームと、牛乳を少し加える。
ぐつぐつと煮立たせないように気をつける。
塩、胡椒で味を調える。
茹で上がったスパゲティを入れ、パルミジャーノのすりおろしを加えてよく和えたら完成。
蚕豆とアスパラガスのクリームソーススパゲティー。
おいしかった。文句なし。
クリームソースにすることが重要なのだ。
とてもとても重要なのだ。
実はここに至るまでに、大きな失敗があったのである。
蚕豆とアスパラガスのペペロンチーノ。
これ、写真で見るとおいしそうなのである。
しかし、これは失敗だった。蚕豆の粉っぽさが、せっかくの乳化したオイルを吸い込んでしまって、パスタがもそもそとしてちっともおいしくない。
蚕豆自体はおいしい。しかし、肝心のスパゲティーがもそもそしてしまうのでは、元も子もないのである。
生クリームを買い忘れて、もう一回買いに出る手間を惜しんだことが仇となった。
蚕豆は季節のものだから、この時期には喜んでたくさん買うけれど、決して安くない。
そして、おいしいスパゲティーを期待して、手間をかけた時間がフイになってしまったことが悔しかった。
用意していたワインも開けることなく、次回に持ち越しとなる。
そこへ持ってきてのこのクリームパスタである。
このおいしさは、前回の損失を補填して余りあるものであった。
ビールはまとめ買いのエーデルピルス。
もう残り少なくなってきた。
そして、白ワインである。
P.Misserey、プティ・シャブリ。
前回から持ち越しとなった白ワイン。憾みを晴らした祝杯の味が加わる分、よりうまいワインとなった。
日々の食事だから、何かが足りなくて他のもので代用するとか、なくても我慢するとかいうことはよくある。
そしてそれが思わぬ成功に結びつくことがあるのも事実である。
しかし、当然ながら良からぬ結果を生むことだってある。今回の生クリームも、ここまで大きな失敗に繫がるとは思っていなかった。
なかなか苦い経験ではあったけれど、『蚕豆のパスタには生クリームを使う』という鉄の掟をひとつ手に入れることができたのは、大きな成功である。
こうして日々成長するのだと思えば、失敗は失敗でなくなるのだ、と松下幸之助氏は言っているのだ。
とはいうものの、かなり悔しいのは事実であるが。
松下幸之助はこう言ったという。
蚕豆を使って、スパゲティにしようと思ったのだ。アスパラガスも入れて。
蚕豆である。
ところで、ソラマメは莢が蚕(かいこ)の繭に似ていることから蚕豆の字を当てるわけだが、一方で空豆とも書く。
これは、莢が上を向いてつくから『空に向かう豆』の意味でこう表記する。
このことを知ったのは、ごく最近のことである。
蚕豆を茹でる。
続けてアスパラガスも茹でる。
固めに。
蚕豆は剥いておく。
フライパンに、バターとサラダ油を入れて融かす。
くし型に切ったたまねぎと拍子木切りにしたベーコンを炒める。
ベーコンがこんがりしたら、アスパラガスと蚕豆を加える。
さっと炒める。
白ワインをふり、強火にして水分を飛ばす。
生クリームと、牛乳を少し加える。
ぐつぐつと煮立たせないように気をつける。
塩、胡椒で味を調える。
茹で上がったスパゲティを入れ、パルミジャーノのすりおろしを加えてよく和えたら完成。
蚕豆とアスパラガスのクリームソーススパゲティー。
おいしかった。文句なし。
クリームソースにすることが重要なのだ。
とてもとても重要なのだ。
実はここに至るまでに、大きな失敗があったのである。
蚕豆とアスパラガスのペペロンチーノ。
これ、写真で見るとおいしそうなのである。
しかし、これは失敗だった。蚕豆の粉っぽさが、せっかくの乳化したオイルを吸い込んでしまって、パスタがもそもそとしてちっともおいしくない。
蚕豆自体はおいしい。しかし、肝心のスパゲティーがもそもそしてしまうのでは、元も子もないのである。
生クリームを買い忘れて、もう一回買いに出る手間を惜しんだことが仇となった。
蚕豆は季節のものだから、この時期には喜んでたくさん買うけれど、決して安くない。
そして、おいしいスパゲティーを期待して、手間をかけた時間がフイになってしまったことが悔しかった。
用意していたワインも開けることなく、次回に持ち越しとなる。
そこへ持ってきてのこのクリームパスタである。
このおいしさは、前回の損失を補填して余りあるものであった。
ビールはまとめ買いのエーデルピルス。
もう残り少なくなってきた。
そして、白ワインである。
P.Misserey、プティ・シャブリ。
前回から持ち越しとなった白ワイン。憾みを晴らした祝杯の味が加わる分、よりうまいワインとなった。
日々の食事だから、何かが足りなくて他のもので代用するとか、なくても我慢するとかいうことはよくある。
そしてそれが思わぬ成功に結びつくことがあるのも事実である。
しかし、当然ながら良からぬ結果を生むことだってある。今回の生クリームも、ここまで大きな失敗に繫がるとは思っていなかった。
なかなか苦い経験ではあったけれど、『蚕豆のパスタには生クリームを使う』という鉄の掟をひとつ手に入れることができたのは、大きな成功である。
こうして日々成長するのだと思えば、失敗は失敗でなくなるのだ、と松下幸之助氏は言っているのだ。
とはいうものの、かなり悔しいのは事実であるが。
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グリーン
いつも楽しく拝読しています。
あらっ、このお皿、ティーマのセラドングリーンでしょうか?
蚕豆とアスパラとお皿のグリーンがさわやかで、いい感じですねぇ。
(あのー、もしもティーマじゃなくても、さわやかですので。)
あらっ、このお皿、ティーマのセラドングリーンでしょうか?
蚕豆とアスパラとお皿のグリーンがさわやかで、いい感じですねぇ。
(あのー、もしもティーマじゃなくても、さわやかですので。)
Re:グリーン
まきねこさん、はじめまして。セキヤです。
ご賢察のとおり、あのお皿はティーマのセラドングリーンでございます。数年ぶりのティーマの新色、セラドングリーンというネーミング、そしてあのやさしい色、この3拍子とあって即決で購入しました。
さわやかで、いい色です。ティーマはどんどん新色が出るので、全部追いかけていたら収拾がつかなくなると分かっているのですが、今回は迷いませんでしたねえ。ちなみに、近所のお店に今回入ってきていたのはフィンランド製でした。僕は特に拘っているわけではないですが、やっぱり本国のものだとうれしいです。
はるばるニューヨークからコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
ご賢察のとおり、あのお皿はティーマのセラドングリーンでございます。数年ぶりのティーマの新色、セラドングリーンというネーミング、そしてあのやさしい色、この3拍子とあって即決で購入しました。
さわやかで、いい色です。ティーマはどんどん新色が出るので、全部追いかけていたら収拾がつかなくなると分かっているのですが、今回は迷いませんでしたねえ。ちなみに、近所のお店に今回入ってきていたのはフィンランド製でした。僕は特に拘っているわけではないですが、やっぱり本国のものだとうれしいです。
はるばるニューヨークからコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
Re:無題
さくらさん、はじめまして。セキヤです。
ああ…。やってしまいましたか…。僕はあの時、落ち込んでいいのか憤っていいのか、でも結局は全て自分に帰ってくるから、必死で惨めさを押し殺すみたいな、情けない気分になりました。
でも、よい教訓を得ましたのでよしとしています。全てうまくいっていたら、得るものも少ないですからね。
コメント、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
ああ…。やってしまいましたか…。僕はあの時、落ち込んでいいのか憤っていいのか、でも結局は全て自分に帰ってくるから、必死で惨めさを押し殺すみたいな、情けない気分になりました。
でも、よい教訓を得ましたのでよしとしています。全てうまくいっていたら、得るものも少ないですからね。
コメント、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
無題
梅雨らしい天気の続く今日この頃、いかがお過ごしですか。
しかめっ面をすこしでもほぐすのは、美味しいものですね。
美味しいものを作るためには、手間を惜しまぬ心や試行錯誤、タイミングや運も必要かと思いますが、自分でそれを生み出しているセキヤサンは偉大です!
面倒くさがりなわたしは想像の中でビールと枝豆を平らげます。
明日、目が覚めたら八百屋と酒屋さんへ行く準備をしようかな。
いや、でも、雨が降っていなかったら、にしよう。
しかめっ面をすこしでもほぐすのは、美味しいものですね。
美味しいものを作るためには、手間を惜しまぬ心や試行錯誤、タイミングや運も必要かと思いますが、自分でそれを生み出しているセキヤサンは偉大です!
面倒くさがりなわたしは想像の中でビールと枝豆を平らげます。
明日、目が覚めたら八百屋と酒屋さんへ行く準備をしようかな。
いや、でも、雨が降っていなかったら、にしよう。
Re:無題
aikoさん、こんにちは。
すっかり梅雨らしくなりましたね。雨は嫌ですけど、降るものが降らないと野菜が高くなったりしますからね。これも必要なのだと思うようにしています。
想像の中のビールと枝豆、いいですね。
仕事中にふと夕焼けを見て、空想に耽ったりします。5秒くらい。グラス冷やしておいて、枝豆を香ばしく焼いて(最近、フライパンで枝豆を焼く、という調理法がお気に入りです)、蚊取り線香を焚いて、ビールと枝豆持っていそいそとベランダに向かい、軽く一杯。
うーん。いいですねえ。近いうちに現実になると思います。
コメント、ありがとうございます!
すっかり梅雨らしくなりましたね。雨は嫌ですけど、降るものが降らないと野菜が高くなったりしますからね。これも必要なのだと思うようにしています。
想像の中のビールと枝豆、いいですね。
仕事中にふと夕焼けを見て、空想に耽ったりします。5秒くらい。グラス冷やしておいて、枝豆を香ばしく焼いて(最近、フライパンで枝豆を焼く、という調理法がお気に入りです)、蚊取り線香を焚いて、ビールと枝豆持っていそいそとベランダに向かい、軽く一杯。
うーん。いいですねえ。近いうちに現実になると思います。
コメント、ありがとうございます!
Re:初めまして
noriさん、はじめまして。セキヤです。
暑い時期にシチューやりましたかー。汗かかなかったですかね?僕は汗だくでシチュー食べましたよ…。で、寒くなってからもう1回シチューやりました。
粒マスタードのスパゲティ!おー。僕もしばらく忘れていました。今度またやろうと思います。あれ、おいしいですよね。さっぱりして。この時期に白ワインと一緒に、とかいいですね。水菜たっぷり入れて。
ミートボールのスパゲティはうまくいきましたでしょうか?あれは、ちょっと面倒でも、ミートボールを一度油で揚げておくと、おいしさがぜんぜん違います。
更新は不定期ではありますが、どうか気長にお付き合いいただけるとうれしいです。
コメント、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
暑い時期にシチューやりましたかー。汗かかなかったですかね?僕は汗だくでシチュー食べましたよ…。で、寒くなってからもう1回シチューやりました。
粒マスタードのスパゲティ!おー。僕もしばらく忘れていました。今度またやろうと思います。あれ、おいしいですよね。さっぱりして。この時期に白ワインと一緒に、とかいいですね。水菜たっぷり入れて。
ミートボールのスパゲティはうまくいきましたでしょうか?あれは、ちょっと面倒でも、ミートボールを一度油で揚げておくと、おいしさがぜんぜん違います。
更新は不定期ではありますが、どうか気長にお付き合いいただけるとうれしいです。
コメント、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
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プロフィール
HN:
セキヤ
年齢:
47
性別:
男性
誕生日:
1977/05/04
職業:
会社員
趣味:
料理
自己紹介:
憂いのAB型
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