トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。
帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
冷蔵庫の野菜室を開けると、パプリカ(橙)とパプリカ(黄)が目に飛び込んできた。
しまった。忘れていた。しかもパプリカ(橙)は、その艶やかさを失いかけている。
―「しくしく…。」
「泣いているのかい?」
―「しくしく…。だってあなたは私たちのことを忘れてたじゃない。」
「忘れてなんかいないさ。」
僕は咄嗟に嘘をついた。どうして男という生きものはこういう嘘をついてしまうのだろうと思う。
―「嘘つき!」
「嘘じゃないさ。いろいろと忙しかったんだよ。君たちに声をかけることができなかったのは申し訳ないと思っているけど、忘れてなんかいない。本当だよ。嘘じゃない。」
だが、僕には綻びを隠すために厚く塗りたくったものが、その重さに耐えきれずに剥がれ落ちていく錯覚が見えた。
―「どうして? どうしてそういう嘘をつくの? だってあなたは新しく緑のピーマンを買って帰ってきて、それをしまおうとして私たちを見つけて、『あ、しまった』みたいな顔してたじゃない!」
見られていたのか…。迂闊だった。よく見てるなあ。
「いや、ごめん。」
―「どうしてそうやってすぐ謝るのよ!」
「…。」
―「何で黙るの? しくしく…。」
やれやれ。機嫌悪いなあ。無理もないか…。僕が悪いよな。
だが、困った僕は何も言わずパプリカ(橙)とパプリカ(黄)を洗って細切りにした。
さて、そんなわけで本日はパプリカで青椒肉絲だ。
パプリカとピーマンは細切りにする。たまねぎも同じ太さに切る。
肉は豚肉。同じく細切りにする。塩、胡椒して、サラダ油をまぶしておく。
たれは、酒、オイスターソース、醬油、胡椒、片栗粉を合わせておく。
中華鍋に油を熱して、豚肉を炒める。酒をふり、取り出しておく。
新たに、中華鍋に油を熱し、野菜を炒める。
肉を戻し、たれをかけて、とろみが出るまで炒めて完成。
味噌汁は昨日の残りだ。蕪の味噌汁。
放置したパプリカの呪いだろうか。味が濃い…。きっと涙の分だけ塩分が追加されたんだね。
すみません。
その後―。
何となくビールを飲みたくなった僕は、『チートス』をつまみにコロナを飲む。
先日、年下の友人に、「何コレ?」って言われて、「チートスだよ。」と答えた。
しかし、その友人はチートスもフリトレーも知らなかった。世代だろうか…。でもチートスは今も現役でこうして流通している。
だが、ふと立ち止まって考える。
昔のチートスはもっとパンチのある味だったよなあ、と。健康なんて知らねえ、という硬派な味をしていたと思う。
チートスをぼそぼそとつまみながら聴いていたのは、ギルバート・オサリヴァンの『Alone Again』(1971)である。
僕は、あまたあるポップソングという音楽の中で、これくらい輝いている曲はなかなかないと思っている。名曲というのはこういうものを言うのだ。中学生の頃からだから、もう15年以上聴き続けている。
『macbook』のCMで使われている曲が、この曲のリズムを思わせたので、聴きたくなった。
ちょっと飲みすぎました。
まあいいさ。
健康なんて知らねえよ。
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久しぶりにひとりでごはんなので、ゆっくりと作る。
和食のごはん。
実は、お誕生会のときに鮭のムニエルも出そうかと思って、生鮭の切り身を買ってあったのだけれど、出せなかったので唐揚げにした。
生鮭の切り身に塩、胡椒をして、片栗粉をつけて揚げる。
大根おろしでさっぱりといただく。
お揚げを炙って、甘味噌を塗る。白髪ねぎと一緒にいただく。
アボカドはスライスしたらレモンを搾り、削り節をたっぷりと、醬油とオリーブオイルをかける。
この食べ方は、ごはんのおかずにもなる。ほかのメニューとの相性もあるけれど、僕はこれが一番好きだ。その次はレモンと塩、胡椒とオリーブオイル。
味噌汁は蕪。
落ち着いたごはんを食べる日曜日の夜。
作っているときに痛感する。味噌汁とごはんの炊ける匂いを嗅いだときに、おいしそうとは別にふわっとほどけていくような安堵感を覚える。この感覚はスパゲティーやシチューや麻婆豆腐を作っているときには得られない感覚だ。
おそらくこれは遺伝子レベルで刻み込まれた感覚だ。忘れることはできない。
和食のごはん。
実は、お誕生会のときに鮭のムニエルも出そうかと思って、生鮭の切り身を買ってあったのだけれど、出せなかったので唐揚げにした。
生鮭の切り身に塩、胡椒をして、片栗粉をつけて揚げる。
大根おろしでさっぱりといただく。
お揚げを炙って、甘味噌を塗る。白髪ねぎと一緒にいただく。
アボカドはスライスしたらレモンを搾り、削り節をたっぷりと、醬油とオリーブオイルをかける。
この食べ方は、ごはんのおかずにもなる。ほかのメニューとの相性もあるけれど、僕はこれが一番好きだ。その次はレモンと塩、胡椒とオリーブオイル。
味噌汁は蕪。
落ち着いたごはんを食べる日曜日の夜。
作っているときに痛感する。味噌汁とごはんの炊ける匂いを嗅いだときに、おいしそうとは別にふわっとほどけていくような安堵感を覚える。この感覚はスパゲティーやシチューや麻婆豆腐を作っているときには得られない感覚だ。
おそらくこれは遺伝子レベルで刻み込まれた感覚だ。忘れることはできない。
4月は誕生日ラッシュである。
先日の後輩の誕生日に続いて、友人3人の誕生日をまとめて祝う。主賓3名、総勢8名である。
これくらいの人数になると、「アシスタントがひとりくらい欲しいぜ!」と心の中で思う。しかし、当然のように誰も手伝ってはくれないのである。
そういうものだ。
ビールを冷やす。
じゃがいもは茹でておく。
ミートソースと茄子のトマトソースを作る。
メインをグラタンにした。茄子のグラタンだ。
寒い雨の日だったので、図らずも正解となった。
まずはこれ。
『枝豆と豆腐としらすの和え物』
いつもの味です。
アボカドは、レモン、塩、胡椒、オリーブオイルでいただく。
『ジャーマンポテト』
ローズマリーがポイント。
『茄子のグラタン』
茹でたコンキリエを茄子のトマトソースで和えておく。耐熱皿に、下からコンキリエ→オリーブオイルで炒めた米茄子→ミートソース→ピザ用チーズ→パルミジャーノレッジャーノの順番で重ねて、オーブンで焼く。
本当はペンネでやるつもりだったけれど、買い置きがなかったのでコンキリエにしたが、これがよかった。とてもおいしくできた。
コンキリエ500g、米茄子2個、ひき肉500g、トマトソース用の茄子3本、トマト缶3缶を使ったグラタンが見る間に減っていく。さすがに8人いると違います。
ケーキはいつもどおりの『アテスウェイ』。
4月だからか、『研修生』のプレートをつけた店員さんが目立っていた。
1名が翌日の仕事のために帰る。
2名は午前4時ごろに寝る。
残りはずっと飲んでいる。
ネコについて話す。三省堂の辞書について話す。
久しぶりに規模の大きいおもてなし。楽しかった。
先日の後輩の誕生日に続いて、友人3人の誕生日をまとめて祝う。主賓3名、総勢8名である。
これくらいの人数になると、「アシスタントがひとりくらい欲しいぜ!」と心の中で思う。しかし、当然のように誰も手伝ってはくれないのである。
そういうものだ。
ビールを冷やす。
じゃがいもは茹でておく。
ミートソースと茄子のトマトソースを作る。
メインをグラタンにした。茄子のグラタンだ。
寒い雨の日だったので、図らずも正解となった。
まずはこれ。
『枝豆と豆腐としらすの和え物』
いつもの味です。
アボカドは、レモン、塩、胡椒、オリーブオイルでいただく。
『ジャーマンポテト』
ローズマリーがポイント。
『茄子のグラタン』
茹でたコンキリエを茄子のトマトソースで和えておく。耐熱皿に、下からコンキリエ→オリーブオイルで炒めた米茄子→ミートソース→ピザ用チーズ→パルミジャーノレッジャーノの順番で重ねて、オーブンで焼く。
本当はペンネでやるつもりだったけれど、買い置きがなかったのでコンキリエにしたが、これがよかった。とてもおいしくできた。
コンキリエ500g、米茄子2個、ひき肉500g、トマトソース用の茄子3本、トマト缶3缶を使ったグラタンが見る間に減っていく。さすがに8人いると違います。
ケーキはいつもどおりの『アテスウェイ』。
4月だからか、『研修生』のプレートをつけた店員さんが目立っていた。
1名が翌日の仕事のために帰る。
2名は午前4時ごろに寝る。
残りはずっと飲んでいる。
ネコについて話す。三省堂の辞書について話す。
久しぶりに規模の大きいおもてなし。楽しかった。
4月は誕生日ラッシュである。
後輩が30歳を迎えたので、お誕生会をした。
この日の集まりがお誕生会であることを伏せておいた上、『誕生日とか言ってんじゃねえよ』と言っていたら自分でケーキを買ってきてしまった。サプライズも考えものだ。この日後輩が買ってきたケーキは、後日友人とありがたく頂戴した。
4人集まったのは夜10時。バタバタと料理を始める。
トマト、ブラックオリーブ、クリームチーズを和えたもの。
軽く塩、胡椒をして、ワインビネガーを少し。オリーブオイルで和える。
ピクルス。
よく漬かっている。
蚕豆のサラダ。
今年はほんとによく蚕豆を食べる。
鶏ムネ肉、蚕豆、アスパラガス、スナックえんどうをマスタードとマヨネーズで和えたもの。
これを作るごとに食材が違うが、今回は豪華版だ。
メインはスパゲティーである。
鶏モモ肉のオーブン焼きとほうれんそうのトマトソース。
大盛。
写真を撮り忘れたけれど、ジャーマンポテトも作った。後輩の好物だ。
ケーキは『アテスウェイ(à tes souhaits!)』。閉店間際にかけ込んで買う。
名店がご近所(5分くらい)にあるというのは、素晴らしいことだ。
自分でケーキを買ってくるくらいなので、お祝いをしてもらえるとは思っていなかったらしい。
喜んでもらえたようなのでよかった。僕も嬉しいです。
後輩が30歳を迎えたので、お誕生会をした。
この日の集まりがお誕生会であることを伏せておいた上、『誕生日とか言ってんじゃねえよ』と言っていたら自分でケーキを買ってきてしまった。サプライズも考えものだ。この日後輩が買ってきたケーキは、後日友人とありがたく頂戴した。
4人集まったのは夜10時。バタバタと料理を始める。
トマト、ブラックオリーブ、クリームチーズを和えたもの。
軽く塩、胡椒をして、ワインビネガーを少し。オリーブオイルで和える。
ピクルス。
よく漬かっている。
蚕豆のサラダ。
今年はほんとによく蚕豆を食べる。
鶏ムネ肉、蚕豆、アスパラガス、スナックえんどうをマスタードとマヨネーズで和えたもの。
これを作るごとに食材が違うが、今回は豪華版だ。
メインはスパゲティーである。
鶏モモ肉のオーブン焼きとほうれんそうのトマトソース。
大盛。
写真を撮り忘れたけれど、ジャーマンポテトも作った。後輩の好物だ。
ケーキは『アテスウェイ(à tes souhaits!)』。閉店間際にかけ込んで買う。
名店がご近所(5分くらい)にあるというのは、素晴らしいことだ。
自分でケーキを買ってくるくらいなので、お祝いをしてもらえるとは思っていなかったらしい。
喜んでもらえたようなのでよかった。僕も嬉しいです。
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プロフィール
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セキヤ
年齢:
47
性別:
男性
誕生日:
1977/05/04
職業:
会社員
趣味:
料理
自己紹介:
憂いのAB型
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心のメモ(11月)
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心のメモ(12月)
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心のメモ(2008年1月)
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心のメモ(2月)
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心のメモ(3月)
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心のメモ(4月)
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