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トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。 帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
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スーパーで小柱が目に入ったので、パスタにした。

ホタテはよく使うけれど、そういえば小柱は使ったことがないな、と思ったのだ。

小柱はバカ貝の貝柱という話である。青柳。
なかなか贅沢な感じじゃないか、と。

ホタテもアサリもそうだけれど、貝類のうまみは強い。おいしいスープをしっかり麺に絡めれば、きっとおいしいパスタになる。



9f1773b4.jpg小柱は軽く塩をしておく。
















ca87dcbf.jpgアスパラがあったので、それも入れることにする。

今くらいの時期は国産の細めのアスパラがおいしい。












491ac02d.jpgにんにくと唐辛子のオイルを作る。
















ffda88a4.jpg小柱を炒める。

これくらいのタイミングでパスタを茹で始める。














cdfffa83.jpg白ワインをふる。
















5c35fef9.jpgワインの水分が飛んだらパスタの茹で汁を加える。

フライパンをゆすって乳化させる。

塩、胡椒で味を調える。











5e06e3d8.jpgパスタが茹で上がる2分前くらいに、アスパラを投入。麺と一緒に茹でると楽だ。

アスパラはシャキシャキしているのが好きなので、あまり茹で過ぎない。












64ffbec9.jpg茹で上がったパスタとアスパラをフライパンに入れて、しっかり和える。















2be4a38e.jpg小柱とアスパラガスのペペロンチーノ。

食べて思ったけれど、小柱のうまみはすごくしっかりしている。ホタテのそれに較べて、凝縮されている感じがした。
水っぽくないというか。











2666ae8f.jpg硬めに茹でたアスパラガスの歯ごたえもまたよし。















c7b7f8f0.jpgビールは、プレミアムモルツ。

モルツなんて、好きじゃなかったのだけれど。
プレミアムには完全にやられました。

大好きです。










5e14f8a2.jpgその後は、白ワインへ。

このパスタ。いかにも白ワイン、という感じである。













パスタ。久しぶりだ。

やっぱりおいしいな、と本気で思った。b8724b5e.jpg







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5月5日はこどもの日である。

われわれにとってはただの休日である。

ミッシェル・ポルナレフの『Holidays』はなぜか『愛の休日』と訳される。

われわれにとってはどちらでも同じことだ。


さて、そんなこどもの日に僕たちは日本酒を楽しもうと集まったのである。今頃になってそんな前の話かよ、などと言う勿れ。

以前、友人が持ち込んだ地酒を愉しもう、というとってもオトナな企画なのである。


20090505-008.jpgこの日の主役はこいつ。

『ゑなのほまれ しぼりたて原酒』


フルーティーで甘め。だが、アルコールが19度くらいある。危険なお酒だ。すいすいっと杯を傾けてるうちに、見えてくる新世界。

「あぶない、せっきー。そっちに行っちゃダメだ。」

そんな声に引き戻される。














20090505_oshinagaki.jpgさて、この日はお品書きを用意したのである。

地酒を愉しもうというのだ。僕のテンションだって上がる。


メニューを組み立ててみて、果たして一晩でこれをこなせるのかが疑問だった。

この通りに進むのかどうか、が見どころである。
















まずは前菜。

今回は前菜を3種盛り合わせにした。

20090505-006.jpg『豆腐と枝豆としらすの和えもの』

おなじみである。














20090505-005.jpg『白うりの浅漬け』

実は僕の大好物である。夏が近づいてくると出回るようになる。

夏が近い。











20090505-004.jpg『するめの麹漬け』

日本酒には最高のアテである。














載せているのは、ブリキのトレイである。

このゴールデンウィーク中に手に入れた、素敵なトレイ。


20090505-009.jpg続いて、『焼き野菜』

ただ焼いただけの野菜。塩・胡椒、しょうが醬油を添えてある。

蓮根、アスパラガス、いんげん、筍。











20090505-012.jpg舞茸。

これも上記焼き野菜のひとつであるが、舞茸だけは甘めのつけだれでつけ焼きにする。あさつきを散らす。












20090505-015.jpg『切り干し大根』

切り干しブームが訪れていたと見える。

「誰かに作ってもらいたい」などといいながら、自分でせっせと作って、人に振る舞っている。











20090505-018.jpg『ごぼうと豆腐の煮物』

ごぼうを出汁で煮て、豆腐をくずし入れたまごでとじる。

三つ葉を散らす。










20090505-030.jpg『だし巻きたまご』

何回作っても、だし巻きを作るときには緊張が走る。
こればかり作っていると、長生きできないんじゃないか、と思う。











20090505-038.jpg『鶏もも肉の塩焼き』

このお皿は先日買い求めた、市川孝さんの耐火皿である。

フライパンで蒸し焼きにした鶏もも肉を、カンカンに熱したお皿で供する。

レモンを搾る。








20090505-040.jpg『筍ごはん』

土鍋で炊いたので、おこげがあるのがうれしいが、少々焦げ過ぎたようである。













料理は、ここまで。

お品書きのメニューを全部出した。しかしながら、最後の筍ごはんを出した時、もうそろそろ夜明けも近いという頃であった。

20090505-041.jpgこの写真は、全部食べ終わったあと。

いい感じに乱れてます。














こどもの日なので、柏餅を買っておいた。

西荻の『青柳』という和菓子屋さんで、柏餅と麩まんじゅうを買ったのだ。

柏餅もさることながら、麩まんじゅうがとてもおいしかった。


そして、酔っ払ったあとのお茶もとてもおいしいと思った。b8724b5e.jpg




20090502_kiriboshi.jpg切り干し大根が好きだ。

ほんとうに好きだ。














この地味な食べ物。

ほぼ水分といって差し支えないであろう大根をわざわざ干して水で戻すという、一見無意味とも思われる行程を経た切り干し大根は、どっこいそれが決して無意味ではないことをその味が雄弁に物語る。生のみずみずしい大根をお揚げといっしょに煮たところで、この味にはならない。

おそらく、最初は保存の目的で干すようになったのだろうと思う。しかしながらその副産物として、このやさしい味ができ上がったのだ。今は保存よりもむしろ切り干し大根の味を得るためにわざわざ干して、水で戻しているといっていい。

乾物類に共通していえることだけれど、ただ干してそれを水で戻しただけなのにこんなにも味が深くやさしくなるのは本当に不思議なことだと思う。それは恰も時間が作り出した魔法のようでもある。

それにしても、色もあまりぱっとしないし、華やかさのかけらもない、地味な食べ物である。でも地味は滋味に通じる。

【滋味】 ―ゆっくり味わうと分かる、深い・味(印象)

 
―『新明解国語辞典 第四版』(三省堂,1989)
 
 
 
 


さて、切り干し大根を作った夜、さすがにこれだけでは寂しいので他にもいくつか作った。


20090502_yakko.jpg冷奴。

奴の薬味はここのところ多様化して、趣向を凝らしたものを食べる機会も増えた。

それでもこの削り節とねぎと生姜と醬油という基本中の基本がやっぱり落ち着くのである。










20090502_yamakake.jpg深夜ともなると、スーパーの刺身売り場には、もう殆ど何も残っていない。

半額になっていたマグロのサクをヅケにして、山かけでいただく。












20090502_michisakari.jpgお酒は、我が家の酒として、もうすっかり定着した多治見の『三千盛純米』である。

いろいろと地酒の味を較べたりするのも、それはそれで愉しいことだが、何の気なしにお酒を飲むときは、いつもの味、馴染みのお酒というのが、ほっとする。









 
090502_gochisouchou.jpgただ、家にゐる限り、酒の味の変はるのは困るのである。時時飛行機で灘の倉から持つて来たと云ふ酒を貰ふことがあるが、味利きをする段になれば、うまい事は確かにうまいと思つても、私の飲み料と云ふ事になると、その、うまいと云ふ点が結局口に合はない欠点となるので、勿体ないと思ひながら、つい人にやつたり、煮酒に下ろしたりしてしまふ。
 

―『御馳走帖』(内田百閒,1979/中公文庫)
 
 


人にあげてしまったり、煮酒にしてしまうことはないけれど、時と場合によってはこの気持ちも分からないではない。誰かと飲むならおいしい地酒もいい。あーでもないこーでもないといいながら飲むのは愉しいことだ。

しかし、切り干し大根を食べながら独りで傾けるには、いつものお酒がいいと思う。


切り干し大根は、大好きだけれどあまり作る機会がない。というか作らない。
身勝手な話だけれど、これだけは自分で作るよりも誰かに作ってもらったのを食べたい気がする。

だけどなかなかそういうわけにもいかないので、仕方がないからたまに自分で作る。b8724b5e.jpg






 

20090502_hagaki2.jpg『魯山』からハガキがきている。

市川孝さんの展示があるという。『是非、ご来店下さい』のところに色鉛筆で乱雑に線が引いてある。来い、ってことだ。












市川さんの器がすごく好きだ。実用を一番に考えた潔さが好きだ。

だから自然に手が伸びる。


器は道具だ。使われてこそ価値があると思う。手が伸びる道具であるにはそれなりの理由がある。豪奢に飾り立てたようなものに嫌気が差すのは言うに及ばず、色が自然で食べ物を引き立てることとか、持ったかんじの心地よさとか、サイズがちょうどいいとか。または注ぎ口のあるものであれば、液体が尻漏れしない、とか。ほんの小さな理由が無数に積み重なって、いつも手が伸びる道具は決定されていく。

もう何年も前のことになるけれど、『魯山』を初めて訪ねたのも市川さんのティーポットを求めてのことだった。焼締のポット。
一度、水切りかごの中で、他のお皿にぶつかってポットの蓋を割ってしまったことがある。どうしても諦めきれずに、大嶌さんに継いでもらった。もちろん今も活躍している。


さて、展示に行くことに決めたら、買い物熱が上がってしまったのだ。

いけないとは思う。

思うけれど、熱が上がってしまったものは仕方がないのである。



そこで先週日曜日のお買い上げ品リスト。


まずは吉祥寺、Wickie。

20090502_spoon_knife.jpgかわいらしいエナメルのスプーンと木のバターナイフ。

Wickieはヴィンテージが主だけれど、新品の小物もなかなかいい感じです。


ARABIAの古いのも、すごく欲しかったけど我慢である。








20090502_katorisennkou_sara.jpg続いて、Promenade。

蚊取り線香のお皿。ブリキと黒とどちらにも決めかねて、結局両方買った。













20090502_katakuchi.jpg片口。

これはもう、酒器として作られた片口。こういう黒い器は涼しげに映るので、これから冷酒を飲むときによいと思う。












20090502_mizusasi.jpg西荻に戻ってきて、いよいよ魯山。

注ぎ口のついたものばかり買っているが、水差しを買う。

こいつから注がれた水は、なんだかおいしく感じるかもしれないと思い。










20090502_ichikawa_kaku.jpg今回の大きな収穫は、この平皿。

耐火皿である。調理もできる。


それより何より、これを火にかけて使っていくうちにどんどん表情が変化していくだろう。

それが楽しみでしようがない。








20090502_hirashimizu.jpgまたも片口。

これだけ市川さんのではない。

古い平清水(たぶん)。


どうも、片口ばかり買ってしまうようである。









魯山には、市川さん本人がいた。

20090502_nyuuyokuzai.jpg
入浴剤をくれました。b8724b5e.jpg














つながってるぞう スケジュールがよう20090503FAIL_BOX.jpg
今やってるのを やっつけても次もう
 
『MILLEN BOX』/奥田民生(FAILBOX,1997)



ユニコーン復活。でも民生に限っては独りのほうがかっこいいと思う。




 



3ヶ月のご無沙汰でございました。

セキヤは元気でございます。ただ、ちょっとシゴトが立て込んでおりまして…。
いつものように料理はしていますし、来客もあるので撮った写真ばかり溜まっていくのですが、その写真を整理し、補正し、文章を書く、という作業をする時間がなかなかなくて、気付いたら3ヶ月が経過していました。

コメントを下さったみなさま、ほんとうに申し訳ありません。
全部読んでます。必ず返信しますので、気長に待っていただければと思います。


 





200903_1s.jpg「あのー…、私がお邪魔したときの記事はいつアップされるのでしょうか…。」

橋Dさんは寂しそうに呟いた。

そうだよね。そうですよね。











いつのことだったか記憶が曖昧になるくらいの時間が過ぎてしまった。
ただでさえ、ものを記憶する能力に難がある僕だ。


橋Dさんが家に来たのはたしか2月のことだったように思う。
仕事上、密接な関係を持つ人で、『ブリ買う』も読んでくれている。いろいろ大変な局面を乗り越えたから、ここはいっちょ家でメシでも食いますか、という運びであった。

200903_1edamame.jpgまた、こいつだ。

『枝豆としらすと豆腐』


 作り方はこちらを参照のこと

いつもの味―豆腐と枝豆としらすの和え物









200903_1mogumogu.jpg『もぐもぐ』のホワイトソーセージ。

西荻に住んでいて、本当によかったと思うのは、こういうときだ。

『いやね、橋Dさん。ここのソーセージはすごいんですよ。』などと誇らしげに言うのだ。まるで自分のことのように。









200903_1german.jpg『ジャーマンポテト』

久しぶりに作った。にんにくとローズマリーで香りをつけたオリーブオイルでベーコンとたまねぎを炒める。白ワインをふる。
茹でたじゃがいもを入れて、軽く炒めたらオーブンへ。
味付けは、塩・胡椒。










200903_1puttanesca.jpg『スパゲティ・プッタネスカ』。

娼婦風スパゲティーである。
とてもいい出来だ。

橋Dさんはトマトソースが一番好きだと言っていた。
好物を供することができてよかったと思う。









200903_1l.jpgこのとき会話から、『仕事帰りに橋Dさんと深夜のラーメン屋ツアー』という企画がスタートすることになる。

深夜のラーメンは、なかなかお腹にくる感じである。











愉しかった。おいしいものはいいね、とほんとに思う。笑顔になります。

余裕のときを、もっと。b8724b5e.jpg






 
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill

この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。

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『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL

アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。

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J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein

ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。



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セキヤ
年齢:
47
性別:
男性
誕生日:
1977/05/04
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会社員
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自己紹介:
憂いのAB型

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