パーティーのあと、どうしても残り物が出たりする(出ないこともある)。
そのまま温めなおして食べてもいいけれど、それでは能がないので、発展的メニューを紹介する。
鶏のオーブン焼をパスタにした。
【材料】
鶏もも肉のオーブン焼、ほうれんそう、生クリーム、ホールトマト缶、にんにく、鷹の爪、スパゲティー、パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろし、オリーブオイル、塩、胡椒
ほうれんそうはざく切り、ホールトマトは手でつぶしておく。
パスタ用のお湯はあらかじめ沸かしておく(お湯の量は最低2ℓ、1ℓにつき10gの塩を入れる)。
鷹の爪は手で半分にちぎり、中の種を取り除く。
種は辛味が強く、舌触りも悪いので使わない。
にんにくは包丁の腹でつぶし、皮と中の芯を取り除く。
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れる。
フライパンを傾けて、オリーブオイルでにんにくを揚げるような感じでオイルに香りをつける。火はごく弱火。
にんにくがきつね色になったら、鷹の爪を入れ、辛味をオイルにうつす。
にんにくも鷹の爪も焦がすと香りが悪くなって台無しになってしまうので、この行程は慎重に行う。
オイルができたらつぶしたホールトマトを入れる。火は中火。
トマトソースが煮立ってきたくらいのタイミング※でパスタを投入。
※このタイミングは使うパスタの茹で時間を考慮する。ソースは煮詰まっても茹で汁でのばすことができるが、パスタの茹で時間は一定なので、ソースがほぼ完成してからパスタを茹で始めても問題なし。逆にパスタが茹で上がったのにソースができあがっていない、というのは致命的です。
トマトソースにある程度とろみがついたら、鶏肉を入れる。
ソースが煮詰まってきたらパスタの茹で汁を入れてのばす。フライパンをゆすってオイルと水分を乳化させる。
塩・胡椒で味を調える。
パスタの茹で時間が残り1~2分になったらほうれんそうを入れる。ざっくりとソースになじませる。
最後に生クリームを入れ、茹で上がったパスタ、パルミジャーノのすりおろしをいれて、パスタとソースをしっかり和えて、完成。
このメニュー、昔アフタヌーンのカフェで食べたことのあるこんな感じのスパゲティーがおいしかったので、それをもとにしています。
ずいぶん前のことなので記憶の中で歪曲されているかもしれない…。
通常、生クリームを使ったパスタには辛味はつけない。霞がかかった記憶の中では、このパスタは辛かったような気がするのだけれど…。
どちらにしてもおいしい。ゴージャス。ごちそうパスタ。
And what have you done
Another year over
And a new one just begun
『HAPPY XMAS(War Is Over)』
/John Lennon and Yoko Ono, 1971年
クリスマスである。
今年はどう過ごしたかというと、友人を呼んでささやかなパーティーをしたのだ。
この時期、毎年何らかの形で集まっている。大学生の頃からだから、もう長い付き合いになる。
今年は最初から泊まりコースで時間を気にせずいきましょう、ということになった。ゆるーい感じで、と。
さて、メニュー。一応クリスマスを意識して、赤と緑の料理が多い。
まずはおなじみ、カプレーゼ。
クリスマスだからか、どこに行ってもモッツァレラが売り切れで困った。最後に立ち寄った西荻の西友にはあった。こういうとき、西友の底力を感じる。頼りになります。
枝豆のレモンドレッシング
さやからはずした枝豆にレモンの搾り汁、塩、胡椒。
味が決まったらオリーブオイルで和える。
これは実にシンプルだが、とてもおいしい。
マッシュルームのサラダ バルサミコドレッシング
ブラウンマッシュルームは4つに切ってレモンを搾る。
プチトマトは4つに切る。ベビーリーフは水洗いしてよく水気を切っておく。
ドレッシングはバルサミコ酢とレモンの搾り汁に塩、胡椒。
塩と酸味のバランスがよければオリーブオイルを入れてよく混ぜる。
マッシュルーム、ベビーリーフをボウルに入れ、ドレッシングと和えたら盛り付けて、パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろしをたっぷりかける。
通常、この料理にプチトマトは使わない。今回はクリスマス仕様ということで。
アスパラガスのオーブン焼き
アスパラガスは歯ごたえが残る程度に下茹でする。
耐熱皿にバターを塗り、アスパラガスを敷き、塩、胡椒。
その上からたまごを割りいれ、パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろしをかけ、オーブンへ。
たまごが半熟になったら完成。たまごをくずして混ぜながらいただく。
写真うしろに写っているのが、この時期しか食べられないチーズ『モンドール』。ウォッシュタイプだけれどクセがなくておいしい。すごくいい木の香りがするチーズ。
12月の声を聞くと、ああモンドールの季節だなあと思う。大好きです。
今回はベルギーのビール『アダムとイブ(禁断の果実)』を買ってみた。
アルコール度数は8.5%(!)
味も香りも強いビール。ぐびぐび飲むというより、味わう感じのビール。
ここでジャーマンポテトが出たのだが、写真なし。
話に夢中になっていて、撮るの忘れました…。
厚切りベーコンとローズマリーが決め手のおいしいやつ。いずれ紹介したいと思う。
火事。
火事のあと、できあがったものは鶏もも肉のオーブン焼きでした。
にんにくとローズマリーで香りをつけたオリーブオイルで焼き、ブランデーでフランベ。
そのあとオーブンで焼く。
レモンを搾っていただく。
ほんとうは、パスタも作るつもりでいたのだけれど、もうおなかいっぱい。割愛いたしました。
ちなみに予定していたパスタは、モッツァレラ入りトマトソースのスパゲティー。チーズが糸を引いておいしいスパゲティーです。
ケーキはアテスウェイ(à tes souhaits!)で買った。
実はアテスウェイがご近所なのだ。早い時間に行ったので、予約もせず、並びもせず、すんなり買うことができた。
「お持ち帰りのお時間は?」
5分です。
ケーキ食べたのが、確か午前3時30分くらい。
もうおなかいっぱい。今日もよく食べました。
さて、パーティーといえば、音楽が付きもの、かどうかはわからないけれど、今回のBGMをご紹介いたします。
『CHRISTMAS'64』/Jimmy Smith
オルガン奏者、ジミースミスのクリスマスアルバム。僕はこいつは名盤だと思う。クリスマスなのに甘くならないし。
『HAPPY XMAS(War Is Over)』/John Lennon
やはりこれははずせません。説明の必要はないでしょう。
『Fly to Brazil』/Walter Strerath Trio
なぜかドイツ人トリオが演奏するジャズ・ボッサ。やはりヨーロッパ人。ボッサ・テイストだけれど、ベースはジャズ。
『JET SAMBA』 『SAMBA'68』/Marcos Valle
かつてこのブログでも取り上げたマルコス・ヴァーリの2枚。
『フジ子・ヘミングの奇蹟~リスト&ショパン名曲集』/フジ子・ヘミング
フジ子のピアノはほんとにいい。ただ、このCDがクリスマス・パーティーに向いているかというと、おそらくは向いてない。聞きたかったからかけました。
J・S・バッハ『無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ』
『ヴァイオリン協奏曲集』/Henryk Szeryng
シェリングのバッハ2枚。
『ハチミツ』/スピッツ
懐かしい…。このアルバムが出たとき、僕は高校生(!)だった。
鍋をやったあと、白菜やねぎが余っていたり、キャベツを買ったもののなかなか使い切らなかったりする。
野菜を冷蔵庫の中でしなびさせてしまったりすると、食べられるために生まれてきた野菜をそのままゴミにしてしまった呵責を味わうハメになる。
だから、野菜が余っているなあと思ったら、豚肉と一緒に炒めて回鍋肉にしてしまう。野菜は何でもいい。きのこでもあれば占めたものだ。
『ブリを買うつもりじゃなかった』初登場の中華料理である。今回はキャベツと白菜、ねぎで作った。当然のことながら、残り野菜じゃなくて食べたい野菜を買ってきてつくってもよい。
【材料】
残り野菜(キャベツ、白菜、ねぎ)
豚ばら肉スライス
紹興酒(お酒でも可)、甜面醤、しょうゆ、塩、胡椒、唐辛子
キャベツと白菜は湯通しする。
ざるに上げて水気を切ったらざくざくと刻む。
同じお湯で豚ばら肉も湯通しして、余分な油を落とす。
湯通ししたら適当な大きさに切って、片栗粉をうすくまぶす。
ねぎは5mmくらいの厚さに斜めにスライスしておく(ねぎは湯通ししない)。
しょうゆ、甜面醤は1:1の割合(大さじ1と1/2くらい)で混ぜておく(合わせ調味料)。
ここまできたらあとは炒めるだけ。
中華鍋にサラダ油を入れて熱し、鷹の爪を入れる。
中火で辛味を油にうつす感じで。
強火にして豚ばら肉、ねぎを炒める。
紹興酒をふり入れ、塩・胡椒。
湯通ししたキャベツと白菜を入れる。
油が全体に回ったら合わせ調味料(しょうゆと甜面醤)を入れて完成。
回鍋肉の『回』は回帰の意味だそうである。一度茹でた肉が鍋に回帰する。
これはごはんのおかずとしては最高の部類でしょう!鷹の爪でピリッとしてるからビールにもよく合う。
何度でも、くりかえし作るメニューというのがある。
この豆腐と枝豆としらすの和え物は、作る頻度が非常に高い。手軽だし、人に出したときにも評判がいいからだ。
ビールのお供に。日本酒の肴に。
本当は、夏の出盛りの枝豆を固めに茹でて作るのがいい。夏の夕方、窓を開け放って飲み干すビール…。
うーん。いいねえ。
今は出盛りの枝豆というわけにはいかないので、冷凍のものを使う。
材料は、枝豆、木綿豆腐、しらす(しらす干、または釜揚げしらす)、しょうが、ごま油、塩、胡椒、しょうゆ。
枝豆はさやからはずす。
しょうがはすりおろす。
ボウルに水を切った豆腐をくずしいれ、枝豆、しらす、しょうがの絞り汁、塩、胡椒、しょうゆを入れる。
しらすにも、枝豆にも塩分があるので、塩は慎重に。
しょうゆは風味付け程度。ほんのひとたらしで。
味が決まったら、ごま油を回しかけ、さっくり混ぜて完成。
うーん。かんたん。
本日のビールは、最近はあまり見かけなくなった『サッポロラガービール』。赤い星のやつ。
何となく飲むビール、という感じだけど、永く飲み続けるビールって、実はこういうのがいいのかな、と思った。
どんなにおいしくても、毎日炊き込みご飯ではキツい。やっぱり基本の白いごはんに戻っていくように。
このメニューには本家がある。
『野菜だより』/高山なおみ(アノニマ・スタジオ 2005年)
本家との違いは、しょうゆを使わないのと最後にすだちを添えていること。
僕は、この高山なおみさんの料理が大好きです。力強くて。
特にこの本は、生き物としての野菜をいただくという感覚を強く感じる。
引越しの荷造りのため、必要最低限のもの残して食器は早々にダンボールに詰めてしまった。大量の食器たちがいちばん厄介だと思ったからだ。
引越し前1週間は料理はしなかった。食べて帰ってきたり、買ってきて食べていた。詰めずに残しておいた食器はティーマのスクエアのやつとマグカップ、プレスガラスのコップがひとつと古い琺瑯の深めのお皿が1枚。
琺瑯のお皿がなぜ出ていたのか。それは荷造りをしている最中だというのに買ってしまったからである。
この期に及んでまだ買うのか。自問しないでもなかったが、出会ってしまったもんはしょうがないのである。
これがその琺瑯のお皿だ。色がすごくきれいなのだ。
何でも昔、旧日本海軍で使われていたものらしい。
(ちなみに盛られているのは、さばの味噌煮の缶詰)
底に碇のマークが押してある。
パンをのせたりもした。
実際普段使うのには、これくらいのサイズのもの(直径約16cm、高さ約3cm)があれば大抵はこと足りてしまうのだ。他になければ、これだけでもけっこういろいろ使える。
ところでこの琺瑯の海軍皿、盛り付けたたべものに独特の雰囲気を与える。この古さと『海軍で兵隊が実際に使っていた』という事実がそうさせるのか。
さば缶を盛り付ければ、食糧難の時代に薄暗い裸電球の下で最後の缶詰を食べている気分になるし、パンを盛れば、ヨーロッパの田舎の貧乏な村で固くなった粗末なパンをもそもそと齧っている気分になる。うすいスープを入れたら、旧ソ連のラーゲリ(強制収容所)の食事のような雰囲気を醸し出しそうだ。まるでソルジェニーツィンの小説みたいに。
どれもすごくネガティブだけれど…。
でもおいしく感じるのは、普通に考えれば何てことのないたべものを、まるでやっとありついた貴重なもののように変える力をこのお皿が持っているからじゃないかと思う。
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill
この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。
『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL
アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。
J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein
ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。