何を作るか、諸賢にはおわかりのことと思う。
カレーライスである。
誰かがお腹を切っちゃったって
う~んとっても痛いだろうにねえ
はは~ん … カレーライス
『カレーライス』/遠藤賢司(1971)
(アルバム『満足できるかな』所収)
引用しようか迷ったが、『カレーライス』という単語が出てくると、どうもこの人のイメージなのです。
僕はカレーが大好きなのだが、ふと思うと最近カレーを作っていない(外で食べることはある)。
そのことに気がついたら、今日はもうカレーしかなくなってしまったのだ。
普通の家カレーに、ほんのちょっとだけインドカレーっぽい雰囲気を加える。
ルウは何でもいいのだけれど、よく使うのがこれだ。
S&B『ゴールデンカレー/中辛』。
子供の頃からいちばんなじんだ味。
僕は少し辛めが好きだが、辛さはあとで調整するので中辛を使う。辛口ルウだと、辛さだけじゃなくて何だか味が違うような気がする。塩分が強いような…。
具は、鶏手羽先、じゃがいも、にんじん、たまねぎ。
手羽は塩、胡椒を強めにして、カレー粉を少量摺りこむ。
じゃがいもは皮を剥いてゴロゴロに切る。にんじんは皮ごと乱切りにする。たまねぎはくし形に切る。
たまねぎを炒める前に、電子レンジで半透明になるくらいまで温める。
そうすると、炒める時間が短縮できる。
鍋に油と唐辛子を入れ、温めたたまねぎを炒める。焦げ付かせないように混ぜながら。
本当は飴色になるまで丹念にやるのがいいのだけれど、ちょっと面倒くさいので端っこが色づいたくらいでOKとしました。
手羽先をソテーする。
皮面からしっかり焼色をつけ、ひっくり返したら酒(何でもいい)をふりかける。
焼いた手羽先をたまねぎの鍋に入れ、水を入れる。
煮立ったら、酒、リンゴのすりおろしを入れ、蓋をして煮込む。
今回はたまたま飲み残しの赤ワインがあったので入れた。
(なければ日本酒でも白ワインでもいい)
煮込んでいる間に、じゃがいもとにんじんはフライパンで炒めておく。
炒めてから入れると煮崩れしにくいし、おいしくなるような気がします。
しばらく煮込んだら、炒めたじゃがいもとにんじんを入れ、さらに煮る。
野菜に火が通ったら、いったん火を止め、ルウを入れる。
しっかり溶かしたら味を見て、塩味を調整する。
そして、ここでさらにカレー粉を入れる。
この追加のカレー粉が香りをぐぐっとよくしてくれる。
辛さの調整をする。カイエンペッパー。
入れすぎると食べられなくなってしまうので注意が必要だ。
お好みの辛さに。
最後にこいつ。
『ガラムマサラ』。
風味を整えるスパイスだが、最後にこれを入れることで一気にインドカレーっぽくなる。
香りがとびやすいので、完成直前に入れる。
これで完成。
火を止めて、蓋をして少し落ち着かせてから食べる。
台所の棚を整理していたら、発芽玄米やら十六穀なんとかとかが出てきたので、お米に混ぜて炊いた。
ごはんがおかしな色をしているのはそのせいである。
先程引用した『カレーライス』でおなかを切ってしまった『誰か』とは三島由紀夫のことだそうだ※(三島の割腹自殺は1970年)。
ショッキングな出来事を目にしても、頭の中にあったのは「お腹がすいたなあ、早くカレーできないかなあ」ということだった。その光景を歌っているのだ。
う~んとっても深い。
※参考文献 『俺カレー』/東京カリ~番長(2001,アスペクト)
カレーを作るときの楽しみといえば、作りながら台所で飲むビールだ。
煮込みながら、味見をして「あー、うまい」とか「もうちょっと塩かな」とか言いながら飲むビール。
シチュエーションとしてはトップクラスである。
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill
この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。
『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL
アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。
J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein
ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。