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トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。 帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
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40534c0a.jpg東京は梅雨明け、と昨日発表があった。

本日は朝からシーツを洗って干して、上機嫌である。

梅雨明け最初の日曜日にふさわしい、気持ちのいい日だ。



今夜は日なたのにおいのする枕で寝るのだ。





上機嫌ついでにアイスコーヒーを淹れる。

484ee5ff.jpgアイスコーヒーは、アイス用の深煎りのコーヒー豆を使う。

たっぷりの氷の上に、濃く入れたコーヒーを落として急冷する。


時間をかけて冷ますと、コーヒーが濁ってしまうのだ。それに、冷ましている間にも、コーヒーの劣化は進む。


間髪を入れずに冷まして、すぐ飲むことが大事だ。










73a4a525.jpg淹れたてのアイスコーヒーの香りは、格別である。

この特別な香りは、もって数時間。その場で冷やして飲むときにしか味わえない。

















洗濯して、アイスコーヒーを飲んで、おなかが減ってきた。

お昼は何を食べようか。





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c6bd97a3.jpg胸につかえるほど食べたり酔っぱらうほど飲んだりするのは、食べ方も飲み方も心得ぬやからのすることである。





―ブリア‐サヴァラン
(『美味礼讃』より/関根秀雄・戸部松実 訳, 岩波文庫)


どうやら僕は、食べ方も飲み方も心得ないようである。

いつだって胸につかえるほど食べ、酔っぱらうほど飲んでいる。



飲みたい気分だった。いつも飲んでるじゃないか、と思う向きもあるかもしれない。

でも違うのだ。

たとえばパスタを作ってワインを飲むとき、パスタが主でワインは従であることが多い。炒飯を作ってビールを飲むとき、炒飯が主でビールは従である。

今宵は、酒が主だ。

何があった、というわけではない。お酒を飲もうと思っただけだ。

41e8a1ef.jpg三千盛は一升瓶ごと、ごつんと冷蔵庫に入れて冷やす。




















お酒を飲むために、いろいろと考えていた。魚を食べたい、冷凍してある鶏肉を使おう、豆腐もいいけど、ちょっと多いな。

などなど。

こういうとき頭の中で目まぐるしく回るメニューの取捨選択とその理由を、記録しておいたら面白いだろうと思ったけれど、すぐに忘れてしまった。


0ad85382.jpgまずはビールだ。暑いときも寒いときもビールを飲んでいる。

夜の始まりを、高らかに告げる一杯である。

最近のお気に入り、コエド・ビールの『伽羅』。




















beb989aa.jpgポテトサラダ。できあい。

実はお気に入りである。

あるコンビニエンス・ストアで手に入る、118円のポテトサラダ。











7ad9f0ea.jpgアボカド。

久しぶりにアボカドを食べる。

薄切りにしたアボカドにレモンを搾り、醬油とオリーブオイル、削り節をかける。

この食べ方は、酒のつまみに最適である。









bd82ba1b.jpgすずきの胡麻醬油和え。

すずきのさくを薄切りにし、すり胡麻と醬油で和える。さくについていた大葉を細切りにしてのせる。











343bbf22.jpg冬瓜と鶏挽き肉の煮物。

味付けは、酒、塩、薄口醬油、味醂。水溶き片栗粉でとろみをつける。

冬瓜の煮物は、スープに近い印象がある。冬瓜が殆ど水分だからか。







e9f4fb74.jpg鶏の塩焼き。

塩、胡椒をした鶏もも肉を皮目から焼き、両面焼いたら酒をふり、水を入れて蓋をして蒸し焼きにする。

レモンを豪快に搾る。








8f3d65cd.jpg鶏料理のつけあわせについている、ししとうが好きだ。ほんとうに好きだ。

鶏の脂の香りと、よく合うと思う。











80100e53.jpgさて、これだけ用意して、しっかりとお酒を飲む。

先日手に入れた、ちょっと大ぶりの片口で2杯だから、だいたい4合くらいである。









この日用意したメニューは、冬瓜の煮物の鍋に残っている分以外は、全部食べた。

その量はまさに胸につかえるほどであり、飲み終わったあと酔っぱらっていたことはいうまでもない。


サヴァランがどれくらいの量を食べ、飲んでいたのかはわからない。僕がいつか食べ方飲み方を心得る日がくるだろうか。
 



7dd14a26.jpgうまい物も食わねば惜しい。少し食えば飽き足らぬ。存分食えばあとが不愉快だ。





―夏目漱石
(『草枕』より/新潮文庫)



でも、あとが不愉快になるほど飲み食いをするのも人情ってもんだろう、と思う。




 
先日の残りのほうれんそうを、何が何でも食べきるのだ。

そんな気概に押されて、暑いけど昼からスパゲティーを茹でる。
パスタはおいしい。しかしこの暑い中、4リットルの湯がぐつぐつと煮立っているのは、ほんとうに暑い。

2d81343a.jpgでも作った。

もらいもののハムとほうれんそう、生クリームの残りととけるチーズで。

お昼っぽい、お手軽スパゲティーである。






しかし、ほんとうに暑い



梅雨らしくない天気が続く。
しとしととほんとによく降るねえ、なんて天気じゃない。傘の出番が少ない6月だった。

俄か雨みたいのが降るけれど、晴れ間も多いし、暑い。しかも中途半端に降るから蒸してしょうがない。湿気は苦手なのである。

やれやれ、今日も暑かったな。助けを求めるようにして冷蔵庫を開ける。麦茶を取り出す。生クリームが目に飛び込んでくる。そこからシナプスは次々と伝達され、最終的にほうれんそうは大丈夫だろうか、という思いに至り、その瞬間には野菜室を開けていた。

先日のことだ。大好きな、チキンとほうれんそうの生クリームトマトソースのスパゲティーを作ろうと思って、眠さを理由に先送りして、そのまま忘れていた。鶏肉は冷凍してあるからとりあえずは大丈夫だ。生クリームも、未開封のまま冷蔵だから特に問題もなかろう。

しかしこの蒸し暑い時期の青菜の放置は失態だった。野菜室とは雖も。

慌てて取り出したほうれんそうは、元気がないけれどまだ生きているようだった。こうして健気に出番を待っていたほうれんそうを、何だかいじましくさえ思う。

5e2689ba.jpgごめんなさい。そう念じながら蘇生を試みる。

幸いにして、冷水に横たえておいたらずいぶん元気になった。

野菜もたくさんダメにしてきたけれど、まるで使わないままというのは、さすがに申し訳が立たない。








チキンとほうれんそうの生クリームトマトソースは、僕のパスタ遍歴の中でも古くからの定番で、大好きなのである。ずいぶん前、自由が丘のアフタヌーンでこんなのを食べて真似したのだ。

なんか、若いなと思った。ちょっと気恥ずかしい気がする。

さて、恥ずかしながら鶏もも肉は解凍し、塩、胡椒をしたら、フライパンで皮目から焼き付ける。

両面焼いて、白ワインをふる。












18f3817f.jpgその後、オーブンへ。

250度で10分くらい。あとでトマトソースの中へ入れるので、完全に火が通っていなくてもよい。

肉が固くならないためには、生焼けくらいでもいいのかもしれない。









60d82db4.jpg焼き上がりはこんな感じである。うすくスライスしておく*1
 
 
*1 スライスした鶏肉からは、肉汁がどんどん溢れてくるので、必ずお皿に移し、肉汁も含めてパスタソースに入れるようにする。










f5484ca6.jpgあとはふつうにトマトソースを作っていく。

にんにくとオリーブオイル。













fd49a40d.jpgにんにくがきつね色になったら、ホールトマトを手で潰して入れる。















f8f7f51b.jpgこのあたりでパスタを茹で始める。
















b351b79a.jpg煮詰まったら、パスタの茹で汁でのばす。















36442184.jpgここで余談だが、この日はとっても暑かったので台所でビール。

パスタを茹でている湯気がもう暑くて、たまらずビールに手がのびた次第である。











b4f8d706.jpgパスタが茹で上がる2分くらい前に、スライスした鶏肉を入れる。















b3e0cc16.jpgパスタが茹で上がる直前にざく切りのほうれんそうを入れる。















c0188bae.jpg生クリームを回しかける*2。塩、胡椒で味を調える。

*2 まさに今思ったのだが、生クリームを入れるタイミングはパスタを入れてからでもいいかもしれない。時間にしたら、数十秒の違いだが。











6fd128e8.jpg茹で上がったパスタを入れ、パルミジャーノのすりおろしを加え、しっかりと和えたら完成。















120051b8.jpgほうれんそうをちゃんと使うことができて、ほんとうに良かったと思う。

僕はどういうわけか、野菜をダメにしてしまったときに、罪の意識に苛まれる。他の食材のときよりも強く。

先日のケイパーだって、ダメにしてしまっているのに*3、このほうれんそうほど慌てたりはしなかった。

*3 使ったが。





金額的にも、ケイパーのほうが余程高いというのに。

それはおそらく、生の野菜は食べられるために、収穫された=命を奪われた、という感覚が強く感じられるからかもしれない。だから食べられるものをみすみすゴミにしてしまうという感じを受けるのだろうと思う。無論、ケイパーだってそれは同じことなのだけれど。

でもこのほうれんそう、まだもう1把残っている。



 



今年は、まだエアコンをつけていない。

もちろん電力不足という意識があることもほんとうだけれど、暑い暑いといいながらも、毎年夏のエアコンは数えるほどしかつけていない。どうしても暑くて眠れない夜にだけ、つけるようにしているのである。


そこで、僕の相棒を憶えている方がいらっしゃるだろうか。

7e2824cd.jpgこいつだ。

東芝の旧型扇風機。羽根が金属でできている、老いぼれである。

実は先日、ついに天に召されてしまった。

ガタガタと羽根を震わせながら、頑張ってくれていたのだけれど。ついにスイッチの接触不良が致命的となり、動かなくなってしまった。





蘇生は試みたのだ。

分解して埃を取り除き、接点復活剤も使用し、緩んでいた各ネジも締め直した。
でもダメだった。

もう疲れたのだ。そんな声が聞こえた気がして、涙ながらに引退させたのである。


36723365.jpgそして、新しい相棒はこいつだ。

羽根は樹脂製に変わったが、今度の相棒もやっぱり老いぼれである。同じく東芝の旧型だ。

羽根が軽い分、音も静かである。

今年の夏も暑そうだ。よろしく頼む。














そして我が畏友よ、長い間ありがとう。安らかに。b8724b5e.jpg



 


 
食事のための買い物をしない日はどれくらいあるのだろうかと、ふと考えた。外食をする機会が少ない僕にとって、食事といえば殆どの場合家でとるものであり、たとえどんなにひどいもの*1を食べるにせよ、何かしら買っていることが多いのである。


もちろん、冷蔵庫の残り物を整理する日だってある。しかしながら、そんなときでも冷蔵庫の残りものに何かを足して料理することになるので、結局は何かしら買って帰ってくることが多い。例えば、キャベツや白菜が余っているときに、豚ばら肉を買ってきて回鍋肉*2を作る、などである。

*1 徹底して手抜きのものを作る例は、『サボタージュ』を参照されたい。あるいは、世界規模で展開するハンバーガー・ショップを所謂『お持ち帰り』で利用することもあるし、安価にして優秀な袋入り即席ラーメンを作ることもある。

*2 回鍋肉は、中華料理をあまり作らない僕にとって、数少ない慣れ親しんだ中華メニューのひとつである。他に作ることのできる中華料理といえば、麻婆豆腐、青椒肉絲、そして炒飯くらいのものである。

この日は、ほんとうに何も買わずに帰ってきた。驚くべきことに、買い物をしないで帰ってきたという記憶がほとんどない。前回がいつだったのかも思い出せない。別にこの日、料理をする気がなかったわけではない。今日は家にあるもの*3で済ませよう、と思っていただけである。

実は、何も買わないで帰ってくるという行動が、わりと新鮮だったのだ。帰り道、鞄以外に何も持っていないなんて。だから、前に買い物しないで帰ってきたのはいつのことだったかと、ふと考えてみたのだ。
 

*3 僕は食材をストックするのがひとつの趣味に近い。日持ちのする乾物や缶詰めの類は、いつ使うかもわからないのに1年分くらいは買い込んでストックしてあるものもある。パスタはスパゲティー、ペンネ、ファルファッレ、コンキリエ、フジッリ。オリーブオイル、ブラックオリーブ、ツナ缶、コーン缶、デミグラスソース缶、アンチョビ、オイルサーディン、粒マスタードの瓶詰と豊富に取り揃えてあり、ホールトマトの缶詰めについては10缶以上ストックしてある。

661a657e.jpg家にあるものだけで済ませようと思っても、冷蔵庫の中にあれがあるからとか特に当てがあるわけでもなかった。であれば、手軽でおいしい娼婦風スパゲティー*4にしようと思った。アンチョビとケイパーとトマト缶があればできる。








 
*4 娼婦風スパゲティー!なんという素晴らしいネーミングだろう!世の中には不思議な名前の料理が多くあるけれど、こんなに素敵な名前を僕は他に知らない。由来には諸説あり、いい加減な娼婦が海のものも山のものも一緒くたにして作ったのだとか、娼婦が家にあるもので適当に作ったパスタを客に振舞って、それが評判になったのだ、とかいわれているという。個人的には、娼婦が客に振舞った、という説を採りたい。こんなにおいしいパスタを出してくれる娼婦なんて、素敵じゃないか。



さて、問題はケイパーだった。ケイパーとは風蝶木の花の蕾のピクルスで、スモークサーモンにのっているあの緑色の粒である。

874bcf3b.jpg2010. 1. 23と読める。

つまり賞味期限切れも甚だしいのだ。











僕は普段、賞味期限はあまり気にしない。あやしいと思ったら、匂いを嗅いでみていけるか否かを判断する。全ての食材を賞味期限内に消費するなんてまず無理だし、賞味期限が切れているからといって棄てていたら、どれだけの無駄を出すことになるだろう。

しかし、じっさいこのケイパーは難しい問題だった。いくらなんでも1年半過ぎているのはダメだろう。だが、ケイパーとはピクルスである。酢漬けである。瓶の蓋を開け匂いを嗅いでみると、何のことはない。普通のケイパーの匂い*5だ。

*5 正確には酢の匂いというべきか。

ケイパーなし、という選択肢もあるにはあった。ただ、これから作るのは娼婦風スパゲティーだ。ケイパーがない娼婦風スパゲティーなんて、それは娼婦風スパゲティーじゃない。一方、今から買いに出るという選択肢はなかった。カルディはもう閉まっている時間だし、西友にはそもそも売っていないだろう。それに、今日は家にあるものだけで済ませる、という趣旨なのだ。

逡巡の挙句、僕はこのケイパーを使用することにした。

僕の鼻*6は、大丈夫だと言っている。じゃあ、そいつを信用しようじゃないか。
 

*6 鼻で判断するのは、セキヤ家の伝統である。特に夏場、ちょっとどうかなと思われる食品は、必ず当主である僕の父が出てきて、『うん、まだいける』と『あー、こりゃダメだ』を判断する。
 
d893763b.jpgアンチョビフィレ2枚は包丁の背の部分で叩き、ペースト状にしておく。















89d361f4.jpg問題のケイパーはみじん切り。

ブラックオリーブは適当に切る。














4f560648.jpgホールトマトの缶詰めは手で潰す*7








 




 
*7 トマトの水煮を手で潰すのには理由がある。機械で潰すと、種も一緒に潰すから種の苦味が出るし、それに手で潰せば中に混ざっている皮やヘタを取り除くことができるからだ。

8699ba61.jpgにんにくとオリーブオイルを火にかける。

フライパンを傾けて、オイルの溜まりでにんにく揚げるようにする。













8c3d1a8c.jpgにんにくがきつね色になったら*8、ふたつにちぎって種を除いた*9鷹の爪を入れる。
 











 
*8 鷹の爪を入れるタイミングには人によって流儀があると思うが、僕はにんにくが色づいてから入れている。初めから鷹の爪を入れると、どうしても焦げやすいし、焦げてしまうと香りが悪くなると思うからだ。

*9 鷹の爪の種はすごく辛い。パスタにちょっと辛味をつけるくらいなら種はいらないと思う。辛いのが好きな人は入れても構わないと思うけれど、こちらも焦げやすいので注意が必要だ。


22c60dcd.jpgオイルに唐辛子の辛味が移ったら、アンチョビ、ケイパー、ブラックオリーブを入れる。

このとき、油がはねやすいので注意。












9ed83bb8.jpgアンチョビが溶けたら潰したトマトを入れる。















ea3c4d42.jpg中火で煮ていく*10












 

 
*10 トマトソースを煮込んでいるときほど、周りにはねることはないのではないかと思われる。煮込み始めは、まださらさらしているのではねないが、煮詰まり始めて、少しとろみがついてからのトマトソースはガス台を容赦なく汚し、着ている服に、洗っても落ちないオレンジ色のシミを残していく。そしてトマトソースに汚されるのは、大抵お気に入りのTシャツだったりするのだ。
 

66110cd2.jpg煮詰まってきたら、パスタの茹で汁*11でのばす。

塩、胡椒で味を調える*12










 

*11 茹で汁でのばすのにも理由がある。ひとつは茹で汁の塩気で味をつけることと、もうひとつは茹で汁に含まれるパスタから溶け出したでんぷん質がソースにとろみをつけ、乳化を助けるのだ。

*12 ここで必ず味見をする。娼婦風スパゲティーの場合、アンチョビにもオリーブにもケイパーにも、そして今入れたばかりのパスタの茹で汁にも塩分が含まれているので、その分を考慮しないとしょっぱくなってしまう。

 

09976225.jpg茹で上がったパスタ*13とパルミジャーノレッジャーノのすりおろしを加え、しっかりと和える。

これで完成。



 





 

*13 パスタは標準茹で時間の2分前にあげている。これは、ソースと和える時間を考慮していることと、ソースと和えている間にソースの味を染みこませるためだ。

 
f131d654.jpgさて、買い置きのものしか使わないという趣旨のため、本日のワインは、ちょっといいやつである。

『CHATEAU FONRÉAUD 1999』

ワインを飲みたくなったのだけれど、普段飲みのワインは大体その日に買ってくるものだからだ。


















c9624f14.jpg一応、1時間くらい前から抜栓しておいた。















bc659eb4.jpg娼婦風スパゲティー。

家にあるものだけで適当に作って、こんなにうまい、というのがたまらない。













bcb33e4b.jpgワインは飲むのだけれど、1杯目はビール*14である。

キリン『HEARTLAND』。

ハートランドはさわやかでおいしい。


















 
*14 夏になるとハートランドを飲みたくなるが、普段よく飲むビールは、ヱビスかサッポロ黒ラベルである。サントリーのプレミアムモルツも好きだ。ハートランド以外のキリン、アサヒのビールは余程のことがなければ飲まない。こればかりは好みなので、議論をしたら紛糾すると思うが、黒ラベル、ヱビス、モルツは旨みのあるビールだと思うのだ。
 

eb497717.jpgワイン。

自分ひとりなのに、けっこうな贅沢ワインである。






















家にあるものだけで簡単に、いくはずだったのだが。

実際、やったことは簡単だ。ケイパーについてもあとでおなかを壊すようなことはなかった。
しかしながら、ケイパーについての逡巡もあり、思いがけずいいワインを開けることになったりもしたので、なにやらいつもよりも長い時間料理をしていたように感じた。



さて、今回執拗なくらい脚注がついていることにお気づきの方もいるかも知れない。それは、先日ニコルソン・ベイカーの『中二階』を読んだからである。

この異常な小説は、例えばストローやらミシン目やら牛乳パックやらの日用品について深く掘り下げて考察しているだけ、というものである。ストーリーとしてはひとりの男がオフィス・ビルの1階から自分のオフィスのある中二階まで、エスカレーターで登るだけである。しかしそのわずかの間に、上記のストローやらについて、ひたすら考え、脱線し、あるものについては讃美し、あるものについては憂えている。

訳者あとがきにはこうある。
 
―一つのことを語る過程で思考は枝分かれし、増殖し、脱線に脱線を重ね、ついには膨大な量の注となって本文をおびやかす。語り手がエスカレーターに戻ろうとする意思を、脱線の力が何倍もの強さで押し戻し、けっきょく中二階にたどり着くまでにまるまる一冊分のページが費やされることになる。

そう。この小説には厖大な量の脚注が存在するのだ。そして、それがすごく面白い!さらに、この小説の脚注には、脚注そのものを讃えている部分がある。
 
aeea1213.jpg―ボズウェルも、レッキーも(話を元に戻すと)、その前にはギボンも、脚注が無類に好きだった。彼らは知っていたのだ。真実の表面は、決してきれいに整ったパラグラフからパラグラフに継ぎ目なくなくつながった、滑らかな手触りのものではなく、引用文や引用符やイタリック体や外国語や、そしてさまざまな学者や編集者たちによる”同上” ”参照” ”見よ”などの皮膜に厚く覆われた、木の皮のようにごつごつした感触をしていることを。そしてそれらが頭の中に間断なく割り込んできては、本論の澱みない流れを妨げることを。(中略)彼らはまた、この脚注を読もうか読むまいか、もし読むのなら出てきたところで読もうか、それとも本文の前にオードブルとして読もうか、と迷う楽しみも知っていた。
 
『中二階』 ニコルソン・ベイカー著、岸本佐知子訳
(白水社, 1994)


 
とにかく面白いこの小説。すっかり感化された僕は、今回執拗な脚注をつけてみたのである。

おそらくブリを買うつもりじゃなかった史上最長の記事である。


長文を最後までお読みくださった方、ありがとうございました。







 


 
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アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。

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心のメモ(2013年8月)
個人的空耳アワード2013は『金玉をつけないでよ』に決定/
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心のメモ(2014年7月)
野々村県議の会見はたしかに笑ったが、どうにも後味が悪い/
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心のメモ(2014年9月)
カイン・ハイウィンドに2度も裏切られた/
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心のメモ(2014年10月)
虫歯治療中/『ちいさこべえ』の”りつ”が超かわいい/
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心のメモ(2014年11月)
ぐんまちゃん、おめでとう/中野サンプラザにくるりを聴きに行った/
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心のメモ(2014年12月)
やりきれない出来事が多すぎる/『天城越え』という歌はよく聴くとじつに陳腐だ/
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心のメモ(2015年1月)
初詣は日本橋の小網神社に出掛けた/『相棒』スペシャルはいまいちだった/箱根駅伝を走る選手が眉毛を整えているのを見るとちょっと鼻白む/
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