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トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。 帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
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帰り道に虫が鳴いてた。
秋だな、と思う。

やっと来たか。待ってたぜっ。


だからきのこを買い込んだ。秋の気分を体内に取り込んでやるのだ。


22257f0b.jpgしいたけとマッシュルームとしめじ。

舞茸は売ってなかった。

きのこのグラタンでも、と思ったのだ。
きのこをたっぷりと鶏肉。チーズをかけてオーブンで焼く。

そして白ワインを飲む。








グラタンだから、まずはホワイトソースから作る。久しぶりに牛乳も買った。


1421f28a.jpg融かしたバターと同量の小麦粉を練って、焦がさないように弱火で炒める。















969bff61.jpg火から外し、冷たい牛乳を一気に注ぐ。
















ebd5657c.jpg泡立て器で混ぜながら、加熱する。

しばらく煮込んで、塩、胡椒で味をつける。


これでホワイトソースは完成である。











次はグラタンの具だ。

4cf0b9a9.jpgフライパンにバターを融かし、たまねぎとぶつ切りの鶏もも肉を炒める。















fe7ba113.jpgきのこをどっさりと入れて、全体に油がまわるまで炒める。














4dd44f45.jpg油がまわったら、白ワインをふり入れる。















6a746ee5.jpgワインの水分を飛ばすように炒めて、塩、胡椒で味を調えたら、具は完成。















1c9fe518.jpg耐熱皿にオリーブオイルを塗り、きのこと鶏肉、茹でたブロッコリーを入れる。
















ホワイトソースとピザ用チーズを乗せ、パン粉をふりかける。

パン粉は、オーブンで焼いたときにサクサクとおいしい歯ごたえが出るのだ。












あとは250度のオーブンで15分ほど焼く。

これで完成だ。



この日のサラダはできあいのもの。

ドレッシングも市販品である。


ところでこのボウルは、インドのものですごく気に入っている。











さて、焼き上がりだ。

出来映えは上々である。

このぐつぐつ感。表面のサクサクという音。きのこの香り。

これはどうしたって盛り上がる。











さて、季節感という意味では、こちらも秋である。

『秋味』。


秋味はおいしいビールだと思う。



ワインはコノスルである。




日中暑くたって、空気が乾いている感じがするのが堪らなくよい。

秋だ。

気持ちのいい空気をたくさん吸い込もう。
たくさん本を読もう。

そしておいしいものもたくさん食べよう。










このワインは、秋の到来を祝う気持ちで飲む。







 
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c8414a6d.jpg今すぐにでも人生を去って行くことのできる者のごとくあらゆることをおこない、話し、考えること。
 
―マルクス・アウレーリウス『自省録』より
(岩波文庫/1956)









 
特に深い意味はないが、17年ぶりくらいで読み返した『自省録』からの引用である。


さて、実家に眠っていたマルクス・アウレリウスを、今さらなぜ読み返していたのか。それはしばらくの間、実家で暮らしていたからである。


この話の発端は、昨年末まで遡る。

わがアパートメントが築40年以上は経っている、ということは以前も述べた。古い物件を探して住んだので、とても気に入っている。しかし、風呂が古いのがイヤなのだ。

このことについては、過去の記事を参照されたい。

リアリズムの風呂


このバランス釜の風呂がどうしてもイヤだ、と不動産屋さんに掛け合ったのが、昨年末なのである。




何がイヤって、シャワーの水圧が弱いし、一度ならず沸かしたまんま眠ってしまって、ボコボコと沸騰させてしまったりしていたからなのだ。しかも配水管が古いせいで、勢いよく水を出すと赤水が出たりする。


どうやら直してもらえそうだ、というところで3月の震災があって中断していた計画が再び動き始めたのが5月。そしてようやく8月に工事、と相成ったわけである。










配管から全て直すので、台所の床を引き剥がし、ベランダまでガスと水道を引き直し、給湯器を新たに設置する、というちょっとした大工事だったのである。当然、ガスも水道も使えなくなるので、工事の間は実家に避難していたのだ。

OKを出してくれた大家さん*1には、心より感謝を申し上げる。
 
*1 念のために断っておくと、大家さんと管理人さんは別の人物である。

さて、新しくなったわが風呂はこれだ。da887b74.jpg

何だ。大して変わっていないじゃないか、などと言う勿れ。























0a03965f.jpgリモコンがついている。

これでもう、ボコボコと風呂を沸騰させてしまうこともない。

沸いたら教えてくれるのだ。なんと賢いことか。










さて、そんなわけで9月に入って西荻に戻ってきた僕は、またこうしてブログを書き書き始めることとなったのである。


復活第1回目は何にしようかな、というのは漠然と考えてはいた。ブログの代名詞と呼んでもいいパスタかな。最近食べてないからミートソースもいいな、とか。

しかし。今回のメニューはおそらくかなり意表を突いていると思われる。


うどんが余っていたのだ。しかも、賞味期限が8月31日の。

というわけで否も応もなく、うどんである。のみならず、うどんのパッケージにこんな記載を発見してしまったのだ。

5786fb1e.jpg『焼きうどん』の作り方の項目である。


③ めんがいため上がりましたら、お好みの調味料(しょうゆ、ソース、ケチャップ等)で調味し、更にいため、具とまぜ合わせお皿に移しお召し上がりください。















ケチャップ?

うどんに?


でも、ああなるほど。いいかもしれない。そんなふうに思ったのだ。ケチャップ味の焼きうどん。ナポリタンみたいで。


4ee2b905.jpgまず、具材は、たまねぎ、ピーマン、しめじ。















91abdfd7.jpgそして安いハム。
















d08c3413.jpg味付けは、ケチャップ。




















46f9cf47.jpg隠し味程度に、ウスターソース。

あまり登場しないので、ここで紹介しておくと、僕がいつも使っているソースは、ペンギン印の『UNION SAUCE』の特級ウスターソースである。

何がって、ラベルのデザインが好きである。
















fc629f0a.jpgまずはにんにくをオリーブオイルで炒める。
















c8e70cc9.jpgさらに具を炒めて、酒*2をふり、塩、胡椒。
 
*2 今回は日本酒を使用。













41a94278.jpg茹でたうどんを入れて混ぜあわせる。
















f26a61a6.jpgウスターソースを少々とケチャップを入れる。
















b3474cb6.jpgしっかり混ぜて、完成である。

















1e6ab9cd.jpgゆでたまごを乗せてみた。

焼きうどんでさえ滅多に作らないのに、うどん・ナポリタンとは僕にとってはかなりの冒険である。


しかしだ。

これがなかなかおいしい。








この手の冒険は、僕にはほんとうに珍しいことだけれど、おいしくできたのでいい。あのパッケージに出会わなければ、この料理は生まれなかったと思うと、ちょっとした感動さえ覚える。


4bb28537.jpgもう一品は、ザーサイ豆腐である。

ここのこころ、ニセ揚げだし豆腐ばかりやっていたので、久しぶりにザーサイにした。













9c219403.jpgビールはサッポロである。





















久しぶりに料理をしながら写真を撮った。大変な被害をもたらした台風が去って、朝晩は秋の気配である。

さあ、これからいい季節だ。



ところで、冒頭に引用したマルクス・アウレリウスは、高校生の時にはわからなかったマルクスの苦悩が読み取れて面白かった。哲学に傾倒する内省的な人物でありながら、ローマ皇帝に即位し戦乱に身を捧げたマルクスが、皇帝とはかくあるべしと自分に言い聞かせているようで、胸を打つ。









 
 
ずっと気になっていたメニューがある。

『豚サルビア』である。

9bfb32f4.jpg『イタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピ』
落合 務(1999, 講談社)














落合シェフの本にはこうある。
 

「今日のおかず、なーに」「豚サルビアだよ」なんて会話が聞こえてきそう。
豚ロースのバターサルビアは、日本でいえば、かあさんのいつものおかず、豚のしょうが焼きってとこ。しょうがのかわりがサルビア。サルビアというのは、セージのことだ。くせのあるハーブだけど、豚肉とも、そしてバターとも、すごく相性がいい。


なるほど。イタリアのマンマの味と聞けば、ぜひやってみたいではないか。



セージを買ってきて、試してみたのである。


4426c965.jpg豚ロース肉は、脂身に切れ目を入れる。これは肉が縮まないようにする下ごしらえである。

塩、胡椒をしておく。












f2c9f205.jpg小麦粉をまぶして、バターでソテーする。

















8b81eabe.jpg両面こんがりと焼く。
















7700f4f9.jpg白ワインをふり、水分を飛ばす。



















6c9e224e.jpg肉を取り出し、残ったソースにバターを加え、セージを入れ、香りが立つまで炒める。

これをソースとしてかける。






これだけ。完成だ。実にシンプルである。





c3f26715.jpgつけあわせは、粉ふき芋。
















37d4383b.jpg

























なるほど。とってもおいしかった。

セージはあんまり使ったことのないハーブだけど、豚肉にはほんとによく合う香りだ。












d20761ae.jpgワインはコノスル。

























なるほどー。これがイタリアの家庭料理の味か。

肉食を伝統とするヨーロッパだから、冷蔵設備などない時代、臭みを消すことが第一義だったのだろう、とは思う。それでもこういうハーブの使い方は、ほんとにうまいと思う。
 


タマス・ウェルズは、オーストラリア出身のバンドであり、その中心人物がタマス・ウェルズである。だがシンガー・ソング・ライター、タマス・ウェルズというほうが、実感に近い。

83d5908c.jpg『thirty people away』/tamas wells(2010)











最新作『thirty people away』でも、相変わらずの美しさに息を呑んだ。

この人の音楽の静謐と哀しみは、ほんとうに美しい。




ノルウェーで連続テロがあった。

ノルウェー。ちょっと信じられなかった。16年前、日本でもテロがあった。おそらく世界中の人が思ったはずだ。日本でテロ?まさか、と。


犯人は、「自分の行動は残忍と認識しているが、必要なことだったのだ」と話しているという。

必要なテロなどありはしない。ひとりの気狂いや狂信集団が、人の命を奪っていいはずなどない。


タマス・ウェルズの美しい音楽を聴きながら、壁紙に血糊がついたようなジャケットを見て、そんなことを思った。



そんなタマス・ウェルズを聴きながらのメニュー。

bd9154a2.jpgビールは、ハートランド。
























6a71d161.jpgもやし炒め。

もやし、ねぎの細切り、豚こま肉を炒める。最後に胡麻油をひとまわし。

味付けは、酒、塩、胡椒、醬油。











279c1b66.jpgニセ揚げ出し豆腐。

またかよ、とお思いの向きもあるかもしれない。しかしながら、気に入ると執拗に繰り返し作るのが僕の習性である。

今回は、豆腐を粗くくずしてみた。










6ec058a3.jpg日本酒は刈穂である。

もうそろそろなくなってきた。


次はどうするか。翠露を買っておこうかな、とか考えている。



















7c50bce1.jpg魚はまぐろである。

これも最近お気に入りの、胡麻醤油和え。


白身のときは大葉を細切りにしたが、まぐろなのでねぎの細切りを乗せる。









04054fc0.jpgそして。

はんぺん焼き、バター醬油である。


子どもの頃、これが好きだったなあと思って作った。

おいしいです。でもあまり夏向きじゃなかった。







タマス・ウェルズの新作があまりによかったので、過去作品も聴こうと思って探し出したら、ケースがばきばきに割れていた。

そういえば、このCDは震災のときに犠牲になったのだった。ケースだけ。


今度ケース買ってこよう、と思った。

虫の声でも聞こえてきたら、夏が終わったのではないかと思ってしまう。

秋のような、もの哀しさを含む風だ。


fbed9b68.jpgそして冷蔵庫の中には、昨日ニセ揚げだし豆腐をした残りの豆腐が半丁残っている。

もう一滴も搾れないくらい、しっかり水が切れている。










秋風だ。

豆腐ハンバーグでもしようか、と思った。すごく珍しいことではあるけれど。
思いついたのだ。大根をおろして、ポン酢をかけてさっぱりいこう、と。


03d9f04d.jpg材料はこんな感じだ。

合挽き肉、豆腐、たまねぎ、たまご、塩、胡椒、日本酒、以上をボールに入れて混ぜる。












f1670e16.jpg粘りが出るまで、しっかり捏ねる。
















5cba9081.jpg成形して、焼く。

ハンバーグを焼くときは、油を多めにして、揚げるような感じで焼き目をつけるとうまくいくような気がしている。












42985c72.jpg両面をしっかり焼く。

うーん。おいしそうだ。














d75857e9.jpgここではオーブンには入れず、蓋をして水を加え、蒸し焼きにしていく。

ハンバーグに串を刺して、出てくる脂が透明になっていたら完成である。

火を弱めて、じっくり火を通す。










f5af0169.jpg豆腐ハンバーグ おろしポン酢。

おいしかった。そして、物哀しい秋のような夜にもぴったりの気分である。













3bc7527b.jpgしっとり。

肉汁も溢れて、上出来だ。














5f40e95d.jpgビールはサッポロ黒ラベル。

サッポロは瓶のほうが断然おいしいと力説しているのであるが、買えないときもある。












食べてみて思う。

肉の香りとポン酢の柚子の香りがよいから、大葉は必要なかったな。合わないわけではないけれど、香りが賑やか過ぎる。それに、箸で食べるには、大葉を一枚乗せているのではいかにも食べにくい。

そこで、二個目はこうなった。648805bf.jpg

シンプルに。おろしポン酢のみ。

うん。こっちのほうがいい。












さて、ここで日本酒である。cc88de0a.jpg

『刈穂50』

このきりっとしたお酒が、ぴったりきた。



















嘘みたいな、秋の風だ。

自分でもすごく意外なメニュー。そしてかなりのおいしさを誇る。


変な感じだ。おいしいからいいけど。
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『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill

この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。

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アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。

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J.S. Bach/Goldberg Variations
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ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。



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