忍者ブログ
トマトを買いに出かけて、なんとなく立ち寄った魚屋さんで、あんまりいいブリがあったので買う。照り焼きもいいけれど、こっくりと煮物もいいなあと思って大根を買って帰る。 帰ってきて思う。僕はブリを買うつもりじゃなかったんだ。
[324] [323] [322] [321] [320] [319] [318] [317] [316] [315] [314]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「昨日は、全社集会で出張だったんだよねー。」

―「芸者集会?」

「全社集会。ぜ・ん・しゃ。」

―「電車!?」


僕は別に意地悪をしていたわけではない。相手の滑舌が悪いというのでもない。聞き取れなかったのだ。電話だったし。

こういうときの頭の回転というのはすごいものがある。相手の話を何とか理解できる領域にまで近づけるために、かなりの速度で回転するのだ。高速でエンジンだけが回転して、でもクラッチが繫がっていないから、どこにも行き着かない。

今でも僕は、このときに頭をよぎった、『出張までして参加しなくてはならない』、『芸者』や『電車』の『集会』の様子をはっきりと思い描くことができる。


716244d9.jpeg

そんな夜。

僕の頭と身体は、やはりかなりの速度で回転していた。

f201e8cc.jpeg獺祭(だっさい)を買ってきて、飲もうとしていたのだ。
























9d032b16.jpegしかも、だ。

『温め酒』と書いてある。お燗専用だ。

40度位でお飲み下さい、と温度まで指定している。












こりゃあ、人肌からちょっとだけ熱いくらいの燗をつけていただくしかないね。

吟醸酒をお燗するなんて考えられなかったけれど、どうやら時代は変わるというものらしい。食中酒として燗酒が華々しい復権を遂げて、さて登場したるは燗をつけるための純米大吟醸である。

考えてみれば、吟醸酒を温めてはいけないなんて、誰が決めたのだ。それなら、と燗をつけておいしい吟醸酒を作ってしまおう、という発想に辿り着いたのはなかなかすごい。


044a7e46.jpeg生のかじきまぐろ、のアラである。

血合いがあるから、アラなのかな。300円くらいだったので迷わず購入。お得である。

実にお得である。











かじきは照焼きにするのだ。酒と醬油の漬け汁にしばらく漬けておく。

be366520.jpegそして、両面を焼いて、酒をふって蓋をして蒸し焼きにしたら、酒、砂糖、醬油、味醂を合わせたかけ汁を掛けながら煮詰めていく。














こちらはというと、セキヤ家の家庭の味である。

蓮根と蒟蒻の炒り煮とでも呼ぶべきもの。正式名称はない。

8dfa5326.jpegまずは、鍋に豚こま切れ肉を炒める。

蒟蒻は、一口大にちぎって茹でておく。














46ca3766.jpeg肉の色が変わったら、乱切りにした蓮根、蒟蒻を入れてさらに軽く炒める。















56c02b97.jpegひたひたよりも少なめくらいのだし汁を加える。
















b93e6a08.jpeg酒、砂糖を入れたら落し蓋をして、しばらく煮る。
















f4947fd7.jpeg塩少々、醬油メインで味を決めたら、さらに落し蓋をして煮る。















d81a79af.jpeg最後に味醂を少し入れ、水分を飛ばすような感じでちょっと煮たら完成である。















今回はさらに続く。


77aff145.jpegだし汁に、ささがきにした牛蒡を入れて煮る。
















bcf483aa.jpeg手で崩した木綿豆腐を入れる。

酒、砂糖、塩、薄口醬油、味醂で味付けする。














1dae0a70.jpegそれをたまごでとじる。
















03d6cd2c.jpeg三つ葉をたっぷり乗せ、蓋をして30秒くらいで完成。
















そして、さらにもう一品。

e8060b1c.jpegさやいんげんと胡桃の白和え。

いんげんが大好きだ。

ほんとうに好きだ。












8d7af1a0.jpeg蓮根と蒟蒻の炒り煮。

肉と蒟蒻を一緒に調理すると、肉が固くなるという。

そんなことお構いなしに、なんとなく定番として定着しているのは、この料理がおいしいからに他ならない、と思うのである。


※蒟蒻のカルシウムが肉を固くする






85a2a25f.jpeg牛蒡と豆腐のたまごとじ。

ちなみに今回の献立で、一番最後に調理したのがこの一品である。

それは、三つ葉の香りを一番いい瞬間で味わいたかったからだ。

蓋をして30秒。蓋を開けたら間髪を入れずに盛り付けて食卓へ。







d24324f8.jpegかじきまぐろの照焼き。

最後に針しょうがを乗せる。














しかし、一晩で随分作ったものだと思う。

獺祭に対する期待値の高さがなせる業か。


さて、その獺祭の温め酒はどうだったかというと、これが実においしかった。なんとしても40度で飲んでやれという意地もあって、温度もちゃんと計ったのだ。

吟醸香にも厭味がないし、実に旨いお酒だった。


頭も身体もフル回転だった。率直に言って、かなり疲れた。やりすぎだ。

しかしながらこの疲労感もまた、心地よい酔いを齎してくれたと言える。




 
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
はじめまして。いつも楽しみに拝見しています。
更新されてたのが嬉しくてコメントさせて頂きました。
美味しそうですね。美味しそう過ぎてセキヤさんのブログでお酒を飲むことしばしばです。
夕飯の献立の参考にもさせてもらってます。
蓮根と蒟蒻の炒り煮、早速真似させて頂きます。
これからも楽しみにしております。
もち 2013/04/26(Fri) 編集
Re:無題
もちさん、はじめまして。セキヤです。
更新が不定期で、申し訳ないですが、これからもぽつぽつと書き続けていきます。夕飯の参考にしていただけているのは、とてもうれしいです。蓮根と蒟蒻の炒り煮、もちさん宅でも定番化することを秘かに祈っています。僕の大好きな料理なので。

コメント、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!
 【2013/05/11】
無題
獺祭って、かわうそですね!?
かわうそはいたずら好きで獲物を捕る面白さだけで魚を殺すことがあり、殺した魚を並べて楽しむ習性もある。
そこから、数多くのものを並べて見せることを獺祭図というらしい。
…と、向田邦子さんの短編『かわうそ』に書いてありました^^

相変わらず美味しそうです。
そして冒頭の時のような頭の回転のスピード、とてもよくわかります。
みえぷー URL 2013/04/27(Sat) 編集
Re:無題
みえぷーさん、おはようございます。

獺祭は、酒蔵のある獺越の地名からとったみたいですね。やっぱりかわうそに関する言い伝えがある土地みたいです。かわうそ、なかなか残酷な習性があるんですねえ。僕はかわうそというと、『ガンバとカワウソ』を思い浮かべます(カワウソの話は読んでないのですが)。

コメント、ありがとうございます!
 【2013/05/11】
無題
獺祭にお燗専用があるんですか。若干勿体無い気がしますが、専用というからには美味しくいただけるのでしょうね。仕入元は三ツ矢酒店でしょうか。

しかし根菜満載の献立、素敵です。特に蓮根と蒟蒻と豚肉。蒟蒻入れても固くならないんですね。試してみます。

ここのところだんだんと夏野菜が出揃ってきて、誘惑に耐え切れず茗荷を買ってしまいました。暑い頃に実がはちきれんばかりになっているものを買うのが正しいと分かっていても…です。一気に食卓が夏になりました。

ところでお久しぶりです。GORIZO、是非行ってみてください。ゴリさん(ご主人)によろしくどうぞ^^
nao 2013/05/10(Fri) 編集
Re:無題
naoさん、おはようございます。

ああ、茗荷!じゃきじゃきと刻む感じが夏ですねえ!今年もたくさん食べることになると思います。
ところで、蓮根と蒟蒻のやつは、肉は多少固くなると思います。どちらかというと肉は味を出すための犠牲になっている、とまでは言わないですが、主役は蓮根という感じですかねえ。

ゴリさんの料理、食べてみたいですね。いつになるか。

コメント、ありがとうございます!
 【2013/05/11】
HOME
home
カレンダー
02 2017/03 04
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
おすすめ音楽
1a8e2a6a.jpg
 
rank_01.jpg



『Pocketful of Poetry』
Mindy Gledhill

この数ヶ月、僕は「ミンディ・グレッドヒルは分かってる!」と叫び続けてきた。この人のアルバムからはポップってのはこういうものさ、という自信が滲み出ていると思う。tr. 2『Trouble No More』がツボ中のツボ。僕の好物ばっかりいっぱい詰まってる。決して大袈裟な表現ではなく、棄て曲なし、最高に幸せな30分あまり。

fce3ef34.jpg

rank_02.jpg



『D'ACCORD』
SERGE DELAITE TRIO with ALAIN BRUEL

アトリエサワノのピアノトリオが大好きです。2枚同時発売のうちの1枚。これはピアノトリオにアコーディオンを加えた演奏。明るい休日のランチ。冷えた白ワイン飲みたくなる感じ。

fce3ef34.jpg

rank_03.jpg



J.S. Bach/Goldberg Variations
Simone Dinnerstein

ゴルトベルク変奏曲からグールドの影を拭いきれないのは仕方がない。この人の演奏には”脱・グールド”みたいな気負いはなく、曲に対してもグールドに対しても愛情に満ちていて、丁寧で、やさしくてすごく好きです。



カウンター
最新コメント
[03/25 zutan]
[03/07 Mik]
[01/27 雅子]
[01/14 nao]
[01/06 ハナ]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
セキヤ
年齢:
39
性別:
男性
誕生日:
1977/05/04
職業:
会社員
趣味:
料理
自己紹介:
憂いのAB型

バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
お天気情報
NINJA TOOLS
ひとくちメモ
心のメモ(10月)
腰が痛い/引っ越そうと思っている/ハナレグミのライブに行ったらスチャダラが出てきて『今夜はブギー・バック』を歌った/10年ぶりくらいでエヴィスのジーンズを買った/西荻のカフェ『11(イレブン)』が11/11で閉店。残念です/会社のPCがクラッシュ。困った/羊頭狗肉を本当に行っていた店がモスクワにあった/
ひとくちメモ
心のメモ(11月)
腰痛から完全復帰/コンパクトマクロレンズを買った/焙じ茶をよく飲んでいる/イライラした/海鮮丼うまい/西荻新居ついに今週末契約/人のせいにするのはよくないと思う/引越し完了/友人の存在をありがたく思う/ネットがつながるまで3週間くらいかかるらしい/連日の深夜まで及ぶ片付け作業で眠い/寒くなってきたので湯たんぽを出した/
ひとくちメモ
心のメモ(12月)
吉祥寺のタワレコはヨドバシカメラの中に入ってからすっかり足が遠のいてしまった。前の方がよかったと思う/和室のコンセプトは『昭和』に/口に出して言うのはちょっと恥ずかしいのだが『亡き王女のためのパヴァーヌ』っていい曲だなあと思う/真心ブラザーズのライブに行った/
ひとくちメモ
心のメモ(2008年1月)
『相棒』スペシャルが面白かった/駅伝の『無念のリタイア』に弱い/もちつき大会に参加。楽しかった/3年以上使った携帯をついに機種変更/西荻在住の友人がお引越し。新居も西荻/『東京フレンズTHE MOVIE』という映画をみたが、数年ぶりに映画をみて涙を流した。情けなくて/最近西友の『冷凍食品4割引』の回数が異常に多い気がする/
ひとくちメモ
心のメモ(2月)
魚屋で刺身を買った帰りに化け猫に追いかけられるという夢を見たが、すげえ怖かった。でも逃げ切った/風が強かったので窓を開けて空気の入れ替えをしたら、部屋が砂だらけになった/しおかぜをほほにうけはだしでかけてく/ふりむけばしろいすなわたしのあしあと/洗濯物を干しているときに『大東京音頭』を口ずさんでいて自分でもびっくりした/無農薬のお米を買おうとしたが5kgで4000円近くしたので敢えなくあきらめた/
ひとくちメモ
心のメモ(3月)
『コンピューターおばあちゃん』を聴いて、ちょっと泣いた/久しぶりに中野に帰ったら『disk union』ができていた/
ひとくちメモ
心のメモ(4月)
気かつくと野菜ジュースの『♪びっくらこいーたー』を歌っている/間違えて『香りつき』のトイレットペーパーを買ってしまった/西荻デパート内の『魚正』が閉店。悲しい/家のすぐ近くで火事があった/表札がローマ字の家が嫌い/もう出ないんじゃないかと思っていた『たのしい中央線5』発売。即買いする/東京・天王洲アイル周辺で震度11の局地的大地震、という夢を見た/ガチャピンかムックかなら断然ムックだ/
ひとくちメモ
心のメモ(5月)
新企画『人間失格』の骨子固まる/頭が痛い/
ひとくちメモ
心のメモ(6月)
窓の外から演歌が聞こえる/ノドが痛い/『血の月曜日事件』起こる/PDFは『Portable Document Format』の頭文字であると知った/
ひとくちメモ
心のメモ(7月)
アパートのエントランスにヤモリがいた/友人宅で『聖☆おにいさん』を読んで爆笑/このブログを『ブリ買う』と呼んでいる人がいてちょっと嬉しかった/
ひとくちメモ
心のメモ(8月)
赤塚不二夫が死んだ/ソルジェニーツィンが死んだ/今年は蝉が少ないような気がする/パジャマを着て寝るようにした/家の近くで蜩(ひぐらし)が鳴いてた/神様、お願いだから僕の1日を36時間にしてください/ケメックスを割ってしまった/新しいケメックスを買ってきた/友人とipodを取替えっこして聴いていたら、談志の落語が入っていて感動した/
ひとくちメモ
心のメモ(9月)
中央線内に流れる相田みつをのコンテンツが異常にうざい/
ひとくちメモ
心のメモ(2008年10月)
マックの『ベーコンポテトパイ』が復活。とても嬉しい/ドムドーラを忘れるな/『三年目の浮気』を美女とデュエットするのが夢だ/
ひとくちメモ
心のメモ(2008年11月)
にわとり文庫に行ったらネコがいた/『e+』一時閉店。残念です/
ひとくちメモ
心のメモ(2008年12月)
自転車のベルを無闇に鳴らす人間が大嫌いだ/寒くなってきたので湯たんぽを出した/年末に仕事を追い込むつもりが、自分が追い込まれた/このままだと水道を止められてしまう/
ひとくちメモ
心のメモ(2009年1月)
『相棒』スペシャルが面白かった/分度器が欲しい/嵐のような一週間だった/もうダメだ/いや、そうでもないかも/
ひとくちメモ
心のメモ(2009年5月)
このブログをFirefoxで見てる人が10%を突破した/『1Q84』は発売日にゲットしたがまだ手をつけない/
ひとくちメモ
心のメモ(2009年6月)
檀さん、大和田さん、檀さん/笑った拍子にオナラが出た/玉の湯が廃業。超・残念/
ひとくちメモ
心のメモ(2010年3月)
まねきねこダック全否定/素敵なスリッパを買った/愛用の『シルク石鹸』メーカー製造中止。寂しい限りだ/強風に煽られてジャージの下が行方不明/
ひとくちメモ
心のメモ(2010年4月)
やましげ校長の退任がほんとうに寂しいです/
ひとくちメモ
心のメモ(2010年11月)
「返しにきたよ。」友人が持ってきてくれた傘にまるで見覚えがない。/奥田民生が『茜色の夕日』を歌っている動画を見て泣いた/カゼをひきました/
ひとくちメモ
心のメモ(2010年12月)
六本木『ABBEY ROAD』で"The Parrots"のライブに感動/
ひとくちメモ
心のメモ(2011年1月)
我が家もついに地デジ化/
ひとくちメモ
心のメモ(2011年3月)
武道館にくるりのライブを見に行った/震災当日、荻窪まで4時間くらいかけて帰ってきた/
ひとくちメモ
心のメモ(2011年5月)
J・アーヴィング『また会う日まで』読了/そろそろストーブをしまおうかと思っている/靴下の左右を揃える手間を省くためすべて同じ柄にするという新発想/『ニルスのふしぎな旅』DVDセット購入/
ひとくちメモ
心のメモ(2011年7月)
甚平を買った/坂本屋が復活してた/『いいとも打ち切り』ってあって思わず東スポを買ってしまった/魁皇関、おつかれさまでした/
ひとくちメモ
心のメモ(2012年3月)
松本大洋の『Sunny』がすごい/やっぱタモさんはすげえや/
ひとくちメモ
心のメモ(2012年4月)
洗濯機を買い替えた/『anan』表紙のしょこたんにどうしても目を奪われてしまう/
ひとくちメモ
心のメモ(2013年4月)
2年ぶりくらいにひどいカゼをひいた/
ひとくちメモ
心のメモ(2013年8月)
個人的空耳アワード2013は『金玉をつけないでよ』に決定/
ひとくちメモ
心のメモ(2014年7月)
野々村県議の会見はたしかに笑ったが、どうにも後味が悪い/
ひとくちメモ
心のメモ(2014年9月)
カイン・ハイウィンドに2度も裏切られた/
ひとくちメモ
心のメモ(2014年10月)
虫歯治療中/『ちいさこべえ』の”りつ”が超かわいい/
ひとくちメモ
心のメモ(2014年11月)
ぐんまちゃん、おめでとう/中野サンプラザにくるりを聴きに行った/
ひとくちメモ
心のメモ(2014年12月)
やりきれない出来事が多すぎる/『天城越え』という歌はよく聴くとじつに陳腐だ/
ひとくちメモ
心のメモ(2015年1月)
初詣は日本橋の小網神社に出掛けた/『相棒』スペシャルはいまいちだった/箱根駅伝を走る選手が眉毛を整えているのを見るとちょっと鼻白む/
Powered by ニンジャブログ  Designed by 穂高
Copyright © ブリを買うつもりじゃなかった All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]